顧客ID管理の一般的な課題
顧客IDの活用と安全性の担保
インターネットに公開するWebサービスにおいては、サービス利用者の個人情報やプライバシー情報の保護が強く求められる一方、デジタルマーケティングの視点では、顧客データ、行動データのひも付け、SNSなどを通じた消費者同士のレコメンドやクチコミが、ビジネスの拡大に必要な施策となっています。つまり、顧客から得た情報をビジネス拡大に向けて最大限に活用するためには、サイバー攻撃に対する防御や運用管理体制の整備が欠かせません。
アプリ・サービス開発におけるID管理
ID管理には多くの実施項目があります。一見するとID/パスワードの保管、入力フォームの設計・開発だけに見えますが、会員登録設計(ユーザーの離脱を防ぐ設計)、運用フェーズではメンテナンス・バージョンアップなど、様々な要素が実装されています。
CIAM導入の必要性
デジタルビジネスを進めるにあたり、最初に必要となるのが認証基盤です。顧客IDの基盤はCIAM(Customer Identity Access Management)と呼ばれるカテゴリのソリューションにあたります。
CIAMは、次のようなメリットを提供します。
- 複数のWebサービスのIDの管理を連携させることが可能。ユーザーのパスワード管理の煩雑化を解消することで、ユーザーが強度の弱いパスワードを使いにくくする効果があります。また、管理者も複数サイトの顧客情報の管理を一元化できます。
- CIAMがワンタイムパスワードや生体認証に対応していた場合、パスワードリスト攻撃に対する対策を強化することが可能です。
なお、企業内での従業員向け認証基盤はEIAM(Enterprise Identity Access Management)と呼ばれます。
Okta Customer Identity
ラックは、Webサービスの運営者の方々に、Okta社の製品をおすすめしています。
Oktaのメリット
- 豊富な認証機能がGUIで簡単に設定でき、開発スピードが向上
- ID専業グローバルメーカーだからこそ、セキュリティ強化
- 複数サービスのログイン統合によるユーザー行動可視化・利便性向上
- 複雑なID管理機能開発が不要となるコスト削減
個人情報の統合管理
Okta社のCIAMは「Customer Identity」と呼ばれ、次のような「認証」、「管理」、「連携」、「統合」を実現する機能を提供しています。
認証:豊富な認証機能の簡単実装 | 管理:自由なユーザー管理 |
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連携:他サービスとの容易な連携 | 統合:認証統合 |
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管理:自由なユーザー管理 |
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認証:豊富な認証機能の簡単実装 |
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連携:他サービスとの容易な連携 |
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統合:認証統合 |
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強固なセキュリティ対策
セキュリティ対策では、「本人特定要素」「コンディション要素」の2つの要素への対応が可能であり、コーディングをすることなくGUIで設定が可能です。
本人特定要素 | コンディション要素 |
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本人特定要素 |
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コンディション要素 |
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顧客と従業員のシームレスなID管理基盤
他のCIAM製品の場合、従業員向けID管理(EIAM)と別の製品であることが一般的です。同じID管理であるにもかかわらず、両者の連携には別製品の購入が必要となります。ユーザー情報の管理基盤を統合化できれば、コストや管理の手間を省くことができます。Oktaは、CIAM、EIAMの機能を同一パッケージで活用でき、管理を統合できます。
Okta Workflows
一般的に外部システムとの連携はAPIを介して行われます。そのため、実装するためにはプログラムコードを開発できるプログラマが必要です。
Oktaは、「Okta Workflows」を利用することで、GUIベースのAPI連携が可能です。そのため、プログラミング経験のない管理者や運用担当者であっても設定変更が可能となります。
ラックによる支援
CIAMを部分的に導入するのは簡単です。しかし、IDは集約して活用してこそ、存分に効果が現れます。
ラックは、これまでのシステム開発の実績を生かし、すべてのID統合に向けて支援します。
また、従業員向けIAM(Identity and Access Management)であるEIAMも考慮したアプリ構築、IAMの導入も同時に進めることで、社内外の共有認証基盤を構築し、管理コストの低減やセキュリティの確保の実現を支援します。
認証はセキュリティの核です。セキュリティの専門家が数多く在籍するラックは、SOC運用、プライベートSOC構築・運用、SIEM構築などのセキュリティの経験を生かし、企業のサイバー攻撃への対応を全力で支援します。
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