被害の広がる金融犯罪
フィッシング詐欺などを通じた"なりすまし"による不正ログインによって、インターネットバンキングやECサイトを舞台とした不正取引・金融犯罪は後を絶ちません。特に「特殊詐欺」と呼ばれる犯罪において、一時期、流行りを見せていたオレオレ詐欺が減少する一方で、ATMから資金を不正に窃取される被害として、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗、還付金詐欺が増加傾向にあります。
また、これらの犯罪で資金窃取時に送金先としても悪用されている不正口座の件数について、近年では金融機関での対処の件数が増加傾向にあり、不正口座が増えているとすると犯罪者の意欲が高まっている可能性もあるといえます。新たな金融サービス・決済サービスが提供されるたびに、次々と巧妙な犯罪手口が登場していることを考えれば、今後も金融被害の広がりは続く公算が大きく、目が離せない状況です。
※ 警察庁「令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」、警察庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」をもとに当社にて作成
※ 全国銀行協会『「口座不正利用」に関するアンケート結果』をもとに当社にて作成
ホワイトペーパー
金融犯罪の実態と金融機関がとるべき対策について、ラックの考えをまとめたホワイトペーパ―を公開しております。
目次
- はじめに
- 金融犯罪の実態
- 金融機関がとるべき対策
- 今注目を集める不正取引検知システムとは
- 金融サービスの不正検知のAI適用について
- ラックが開発した不正取引検知システム「AIゼロフラウド」
AIゼロフラウドの特長
狡猾な犯罪者は盗み取ったカード情報を悪用しますが、そうした不正取引は正常な取引と比べて極端に件数が少なく(不均衡データ)、従来のルールベースの検知では対応が難しいケースがありました。ラックが開発した技術では、ラックの金融犯罪対策センターと金融機関が持つ犯罪パターンを分析し、学習用データの比率調整を実施することでAIモデルの「特徴量エンジニアリング」に反映し、不均衡データの発見率を飛躍的に向上させ、高精度な不正取引検知を実現しました。
AIゼロフラウドで検知できること
AIゼロフラウドでは、不正取引と不正口座を検知することができます。これまでに3つのAIエンジンを開発し高精度な検知機能を実現しています。各AIエンジンを組み合わせて活用することで各方面から金融犯罪被害を抑えることができます。提供サービスや運用状況に応じて検知機能を絞ることも可能です。
AIゼロフラウドの検知対象
検知対象 | 検知対象 | 概要 |
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①インターネットバンキングでの不正送金 | サービス利用者のアカウントが"なりすまし"により不正ログインされ、預金を勝手に別口座へ勝手に送金されるような不正取引を検知します。 | |
②銀行ATMを介した不正取引 | 銀行のATMにおける預金者を騙した振り込みや、預金者が保有するカードの盗取による現金の引き出し等の特殊詐欺のような不正取引を検知します。 | |
③金融犯罪に悪用される不正口座 | 提供サービスにおける口座の中で、犯罪者が不正に取得して犯罪に悪用している不正口座を検知します。 |
システム構成イメージ
AI不正取引検知システムは、AIエンジンを活用し、金融機関から送信される取引情報を分析、その判定結果をリアルタイムまたはバッチ処理(事後)で連携します。
価格
お客様のご要望に応じて、個別にお見積もりいたします。お気軽にお問い合わせください。