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サイバー・グリッド・ジャパンの吉岡です。
当社の研究部門である「サイバー・グリッド・ジャパン」のICT利用環境啓発支援室では、全国各地で情報リテラシー向上の啓発活動に取り組んでおり、全国の小・中学校、高等学校などで講座を行っています。
島根県での情報モラル講座
毎年春と秋に、島根県益田市・吉賀町・津和野町の教育委員会から依頼され、それぞれの小・中学校を巡回して情報モラル講座を実施します。今年の春は、9校で11講座を行いました。
さらに詳しく知るにはこちら
情報リテラシー啓発のための羅針盤講座の実施にあたり、各小・中学校はサイバー・グリッド・ジャパン発行の「情報リテラシー啓発のための
さらに詳しく知るにはこちら
情報リテラシー啓発のための羅針盤今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、Zoomを使ったオンライン開催となりました。オンラインでの講座は、当社の講師も受講対象の小・中学校も初めての体験でした。 そこで、私たち講師の立場で気付いた、オンライン講座を成功させる12のポイントをお伝えしたいと思います。
オンライン講座を成功させる12のポイント
1. アカウント管理はしっかりと
Zoomでは、同じアカウントで会議予定を重複して設定できないようになっています。ところが、講演中にある生徒のアカウントで誰かが別の端末にサインインしてしまい、そちらが有効になったため会議が終了し全員退出させられてしまいました。こういったトラブルを避けるため、学校側のアカウント管理者に、受講者のアカウント管理と利用時間帯の情報共有をしてもらうよう徹底しましょう。
2. 事前準備は万全に
現地と離れていることもあり、当日使う機能はあらかじめすべてテストしておきましょう。このオンライン講座では、はじまってからいくつかの教室で映像が映らないなどのトラブルがおき、大慌てで対応をしてもらいました。複数の教室での参加は、それぞれアカウントが異なるので、すべての端末・アカウントでチェックをしておくとベストです。またZoomでは、画面での資料共有はホストの許可がないとできないので、ホスト側は事前に共有許可を設定しましょう。
3. 事前に現地情報を収集
現地へ行かずに講座を実施するので、現地の地域性や街並み、暮らしぶりなどを感じることができません。現地に合わせた話題提供をして共感性を高めるために、事前に地域の情報を収集して当日の天候などを調べましょう。
4. リアクションは大きめに
オンライン講座の特徴で最も顕著なのが、会場の反応がわかりにくいということです。教室全体を映すことで雰囲気を伝えられますが、できるだけ前の方にはリアクションの大きい人に座ってもらうとよいでしょう。逆に自分が参加するときは、相づちを大きく打つなど、なるべくオーバーリアクションをとってあげるといいと思います。
5. 臨場感を出す工夫を
教室にいる子どもたちや先生方の息遣いがわからず淡々と進めてしまうと、ビデオを流すだけのオンデマンド講座のようになってしまいます。少しでも臨場感を出すような工夫も考えておくとよいでしょう。用意したスライドに沿って話すだけでなく、その日、その時点、その場で感じていることや、ネットを使ってこんなことができる、といった話をして少し脱線することで臨場感が増すと思います。
6. 話し方にメリハリをつける
非対面では相手の反応に応じた話し方ができないため、通常の会話より少しゆっくり目のテンポになりがちです。子どもたちはのんびりした印象をもったかもしれません。声の高さや強弱などを、対面の時より意識的に大きくつけるような工夫をするとよいでしょう。
7. 朗読をするようにテンポよく
子どもたちの反応が感じられず不安に思う場合は、朗読するように話すことでテンポよくリズミカルに進めるのもよいでしょう。あらかじめ話す内容や言葉(セリフ)などをしっかり決めて、何度か時間を計りながらリハーサルをするのがおすすめです。
8. 様々なことに気配りし、想像力を働かせる
対面の講座では講演中、講師は話しながら色々なことを考えています。子どもたちが理解できているか、少し事例を交えた方がいいか、部屋が暑い(寒い)などなど。同じようにオンラインの時も考えているのですが、加えて回線の具合や、音声がうまく聞こえているか、めくった資料の映像が映っているかなど、対面の時以上に気を配ることが多くなります。そのため対面の講座以上に想像力を働かせなければいけないと感じました。講座の中で取り上げるかもしれない事例などは、手元にメモを用意しておくと余裕をもって臨めます。
9. 効果的にツールを使う
資料のどの部分を話しているか伝わりにくく感じたので、パワーポイントの蛍光ペンやレーザーポインタの機能を使いました。これらの機能で、スライド資料の該当部分をなぞりながら話すと、相手に伝わりやすくなります。ただし蛍光ペンの場合はスライドに書き込んでしまうため、あまりたくさん書くと画面がうるさくなることに注意しましょう。
10. 1人1台端末があるとベスト
教室に先生などコーディネートしてくれる人がいる場合は、講座の途中で先生と連携して子どもたちの意見を聞いてもらったり、途中で話し合いの時間をとってサポートしてもらったりするとよいでしょう。1人1台の端末がある場合は、アンケート機能やチャット機能なども有効に使い、さらに講座に変化をつけることができると思います。
11. オンラインでのつながりを意識する
対面の講座では子どもたちや先生などたくさんの人がいますが、オンライン講座は1人で進めなければいけません。講座の途中、ふと孤独感を強く感じることがありました。そのためいつもより緊張しすぎて、講座の構成が崩れてしまいそうになりました。そんな時は、子どもたちに質問を投げかけたり意見を聞いたりすることで、現地とオンラインでつながっていることを意識できるような工夫をするといいでしょう。
12. 時間管理
対面の講座に比べ、オンラインの講座は時間の管理がとても難しく感じました。決められた時間内に講演をするのは対面でも大変ですが、オンラインだと周りにサポートしてくれる人がいないので、自分で時間の経過を確認しないといけません。画面の横に時計を置いたり、残り時間を定期的にチャットなどで知らせてもらえるようにするなどの対策をとると、落ち着いて進められます。
以上が、オンライン講座を通して感じた12のポイントです。対面の講座と異なる点が多く、初めは戸惑うことが多いかもしれません。しかし、少し意識を変えるだけでオンラインならではの良さを十分に発揮した講演を行えると思います。この12のポイントが、これからオンラインで講演する皆さんのお役にたてると幸いです。
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