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ラックピープル | 

TOILAB(問いラボ)による1on1変革。自律型人材を生み出す人事戦略室の取り組みとは?

コーポレートコミュニケーション室でブランディング戦略を担当している山本です。

ラックでは、社内コミュニケーションの質を高めるため、1on1ミーティングの普及・質の向上に取り組んでいます。その一環として、1年前から社内で徐々に活用が広まっているコーチングカード「TOILAB(問いラボ)」が、予想以上の効果をもたらしています。

また、2025年度から「人的資本戦略部」という部署が新設され、その配下の人事戦略室の室長に、高木が就任しました。この記事は、これまで営業の人材育成を担っていた高木が中心となって社内開催していたTOILABワークショップの効果について、TOILAB開発者の船橋由紀子氏が、ラックの人的資本戦略部のメンバー、高木、佐藤、阿久津にインタビューを実施した内容をもとに、TOILABがもたらす変化と今後の展望についてお伝えします。

「1on1をもっと意味あるものにしたい」- 課題からの出発

──御社とTOILABの出会いはどのようなものだったのでしょうか?

高木
ラックはサイバーセキュリティを中心とした事業を展開しており、システム開発なども幅広く行っています。社員数は単体で1,700名近く、グループ全体だと2,000名を超える規模になっているので、社内コミュニケーションは大きな課題の一つなのです。

以前から1on1ミーティングを施策として取り入れていたのですが、「効果的にできている」と言える状態ではなくて。現場からも「なかなかうまく関われていない」という声があったんです。そんなとき、コーポレートコミュニケーション室の山本さんから「いいツールがあるよ」と紹介してもらったのがTOILABでした。
株式会社ラック 人事戦略室 高木室長
人事戦略室 高木室長

──実際にTOILABを使ってみて、どんな印象でしたか?

高木
今までなんとなく経験だけでやってきた1on1が、カードを使うことでスムーズに、筋道立てて、かつ深く対話できることに驚きました。自分からは聞きにくいことでも、カードがあると意外と自然に聞けるのです。
佐藤
アイスブレイクから始まり、どんどん質問が深くなっていき、最後は「行動宣言」で終わる。この一連の流れがすごく良いと感じました。以前は「何を聞けばいいかわからない」「タイミングを逃す」と悩んでいたのですが、カードに頼れば自然に質問が出てくるのですよね。
TOILABのカード
TOILABのカード

客先常駐やテレワークの壁をどう乗り越えるか

──御社の上司部下のコミュニケーションには、どんな課題があるのでしょうか?

高木
当社はお客様先に常駐して働くメンバーやテレワークなどが多くて、上司と部下の物理的な距離があるんです。どうしてもお互いの理解が深まりにくい環境の中で、上司が部下の話を聞くことになります。だからこそ、限られた時間でどれだけ本質的なコミュニケーションが取れるかが大事になってきます。
佐藤
また営業の現場でも、お客様とのやり取りが「ただの引き継ぎ」で終わってしまう場面ってありますよね。そこを、もっと深く、意味のある対話に変えていけるのではないかと思っています。TOILABを使い慣れ、自然な問いかけや対話の感覚が身についてくると、1on1に限らず、営業の場面でもお客様との関係性がより深く築けるようになると感じています。

社内ワークショップイベントでの手応え

──社内での活用事例を教えていただけますか?

高木
先日、社内の「資格をテーマに交流する場 - ラックシカクナイト」というイベントで、TOILABを紹介させてもらいました。佐藤さんが前に出てTOILABのデモンストレーションをやったのです。

──すごいですね!相当練習されたのですか?

佐藤
いえ、全く(笑)。その場で急にコーチングのデモをやることになったのですが、TOILABがあるおかげで半分ゲーム感覚というか。「じゃあこのカード引きました、じゃあ答えてみようか!」みたいな感じで、自然にできましたね。おかげさまで盛り上がって、その場で若手社員から「これ、使ってみたい!」という声も上がりました。

その後の懇親会でも話題になって。「あれ⾯⽩かった!」って⾔ってもらえて、やっぱり体験してもらうことの⼤事さを感じました。お酒が⼊っている場でも使えるってすごいですよね(笑)。
株式会社ラック 人事戦略室 佐藤
人事戦略室 佐藤

社内文化として根付きつつある1on1

──阿久津さん、1on1を推進してきた立場として、今の状況はいかがですか?

阿久津
はい、1on1を制度化した最初は「1on1にどんな意味があるのか?」「ただでさえ時間が無いのに」という声も多くありました。でも今は、メンバーとの対話に本気で取り組む人が増えてきました。こちらが働きかけるだけではなく、社内文化として根付きつつあるのかなと思っています。

──TOILABを使ってみての感想を教えてください。

阿久津
TOILABを使ってみて一番驚いたのは、自分の頭の中が整理されていく感覚です。バラバラだった思考が、カードの質問に答えるうちに整っていく。そして「言わされている感」がない。自分の言葉が自然に出てきて、結果的に自分自身の気づきにつながるのです。この力はとても大きいですね。

現在も「1on1の浸透」と「質問力の向上」は大きな目標です。皆さんが記入している1on1実施後のレポートを見ると、最初は雑談が中心だった対話が、今では「キャリア」や「成長」について深く語られるようになっているようです。また、1on1以外の場面でも相談が自然にできる関係性が育ってきたのを感じています。
写真左から株式会社ラック コーポレートコミュニケーション室 山本、人事戦略室 阿久津
左:山本(筆者) 右:阿久津

人的資本戦略における、コミュニケーションの重要性

──改めてお伺いしますが、今後の1on1をどのように考えていらっしゃいますか?

高木
この度の、組織改変により我々は「人的資本戦略部」として、より全社的な人材開発を担うことになりました。そして今後は「回数」ではなく「質」を重視して1on1を浸透させたい、TOILABのようなツールを活用して、深く本音を引き出せる1on1を増やしていきたいですね。

ラックでは企業としてのパーパス「たしかなテクノロジーで『信じられる社会』を築く。」を掲げています。しかし、どんなにテクノロジーが優れていても、使う人同士の対話やビジョンの共有がなければ、その力を十分に発揮することはできません。だからこそ、人と人との関係性を育む"アナログなコミュニケーション"の価値は、これからさらに高まっていくと感じています。
佐藤
理想は、2,000名規模の全社員が、誰とでも顔と名前を覚えてつながれるようになること。そのためのきっかけツールとして、TOILABをもっと広めていきたいです。

──最後に、これからTOILABを試したことがない皆さんへメッセージをお願いします。

高木
「1on1が雑談で終わってしまう......」そんな課題を感じている人は多いと思います。でも「本質的な対話をしろ」と言っても難しいですよね。TOILABは、その本質的な対話への"橋渡し"を、驚くほどスムーズに、自然にしてくれるツールです。だからこそ、ぜひ一度試してみてほしいと思います。
佐藤
正直、僕も最初は「コーチングって難しそうだな」と思っていました。でもTOILABを使ってみると、自然に問いが生まれ、気づけば会話がどんどん深まっていくのです。構えずに使えるからこそ、人見知りの方や対話に自信がない方にこそ、心からおすすめしたいツールです。
写真左からTOILAB開発者 船橋由紀子氏、株式会社ラック 佐藤、高木、山本、阿久津

「心理的安全性を実現する」TOILABというツールの力

このインタビューをご覧になられて、何を感じられたでしょうか?

「本当はこう思っているんだ」
「こんなことに価値を感じるんだ」

といったような、人物像がわかる言葉を聞けたら、親しみやすさを感じませんか?でも、きっかけがないと気恥ずかしくて、なかなか話しだせない人も多いのかも知れません。

働く人同士の良好な関係性、コミュニケーションがあると、事業が継続的に成長するとも言われています。私はこれまで、インナーブランディングの一環として、自分が学んだコーチングやブランディング、コミュニケーションの知識やスキルを、社内向け講座として提供してきました。世の中には様々な手法、支援ツールなどがありますが、TOILABほどシンプルで洗練されたコミュニケーション支援ツールは無いと感じています。最大の魅力は「話すきっかけ」を自然に作ってくれる点です。

「心理的安全性」がうまく作れないという悩みも、そのハードルを越える体験を、誰でも短時間で得られる。「何を話そう?」と沈黙してしまう場面でも、カードを一緒にめくることで自然に対話が始まります。

その"最初の扉を開く力"は、本当に素晴らしいと思います。

「職場のコミュニケーション不足を感じたら懇親会だ!」ではなく「TOILAB会だ!」となってくれたら面白いかも知れません。お酒の力を借りずとも、お互いの想いを自然に引き出せるとしたら、とても素敵な職場の未来がやってきそうではありませんか?

参考情報

コーチングカードTOILAB(問いラボ)ホームページ

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