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こんにちは、エンジニアの大沼です。
前回の"マイクロソフト社のde:code 2017に行ってきました(その1)"に続き、
今回の"マイクロソフト社のde:code 2017に行ってきました(その2)"では、
私が出席した各セッションについての感想をお伝えしたいと思います。
各セッションについての感想
[Keynote] The New Age of Intelligence
大半の時間がAIに関する内容でAIに対する取り組みの本気度が強く伝わってきました。もはやクラウドについてはあって当たり前、空気のような存在となっていました。MR(mixed Reality)に関する内容やDEMOもあり、クラウドを採用するか否かの検討ばかりである現場の方がVR(Virtual Reality)なのではないかと疑ってしまうほどでした。
[DO11] JOY, Inc. : あなたの仕事場での喜びは何ですか?
ウォーターフォールやアジャイルの歴史的背景とMenlo Innovations社のプロセスの紹介、日本での事例紹介などを通して「仕事での喜び」についてのお話でした。興味深かったのは「モブプログラミング」のお話で、機会があれば試しにやってみようと思います。非常に疲れるようです。
ちなみにスピーカーの原田さんは、実は以前、弊社にて開催したLTイベントにゲストで来ていただいたり、スクラムトレーニングをしていただいたりしました。Ask the Speakerでは同じく弊社とご縁のある吉羽さんともお話しすることができ、現場での悩み相談などさせていただきました。全部いっぺんにやろうとするのではなく、小さいところから一つ一つ完成させていこうという有難いアドバイスをいただきました。
[DO03] 50分でわかるテスト駆動開発
テストコードでなかなか書けなかったり、書いたとしてもメンテナンス性の悪いものになったり、結局カバレッジのためだけに書いていたりしがちで、いつも遠隔自動操縦型スタンド「ワイルド・サバンナ」にボコボコにされていましたが、スタンド本体によるTDDのお話は、非常に分かりやすかったです。
「まずはテストをToDoとして洗い出す」、「テストコードのテストをどうやってするのか」、「テストメソッドを日本語にする」、「テストコードから仕様を読み取れるようにする」など、独学では理解できていなかった各プロセスに込められた意図についてライブコーディングを通じて学ぶことができました。これは社内のメンバーに対しても同じように伝承しようと思います。
[SP05] 日本企業の生産性を根本から改善する8つの習慣とその事例
本セッションのスピーカーである牛尾さんが公開しているDevOpsや8つの習慣の動画を見てから議論するという社内勉強会を開催していて、とても楽しみにしていたセッションの一つでした。8つの習慣については今後の勉強会で進める予定でしたので非常に良い予習となりました。Be LazyやFail Firstといった考え方を1人ではなくチームのメンバーに広げていくべく頑張ろうと思います。
[DO06] Infrastructure as Codeでサービスを迅速にローンチし、継続的にインフラを変更しよう
本セッションではInfrastructure as Codeを現場への導入にあたっての具体的な考慮事項やTipsなど伺うことができ、インフラチームに異動したての私にとって即実践すべき内容でした。Infrastructure as Codeの導入により以前より管理は楽になったのか、汎用性のあるCodeは本当に必要か、テストはどこまでやるべきか、など、実際にCodeを書き始めると陥りがちな問題を説明していただき、非常に大きい教訓となりました。どうすればチームにInfrastructure as Codeを広めることができるかの相談もさせていただき、さっそくチーム内への普及活動を進めていこうと思います。
[DI13] ダウンタイムを最小に! ~ Azure における障害/災害に耐えうるアーキテクチャ設計のポイント ~
本セッションは現在携わっている案件と直結する即効性のある内容でした。2017年3月に東西日本リージョンのAzure障害が多発したため、お客様もとても気にしている部分です。どのように回復性について考慮するか、コストや複雑さ、どの程度のRPO/RTOが求められるかという要件に応じて、Azure上ではさまざまなアーキテクチャパターンで対応できることをご説明いただきました。それ以外にもAzureの各サービスの特性に応じてどのように考えればよいかなど、とても勉強になりました。
[SP01] CTOが語る!今注目すべきテクノロジー
日本マイクロソフトCTOが注目している技術について、「声の時代」「データ戦略」「DataDevOps」といったお話で、やはりベースとなっているのはキーノートと同じくAI。機械学習ベースのシステム構造や技術がうまれてビジネスにつながるまでの流れ、そのためにはデータ戦略が必須であり、システムの成否はデータ戦略で決まる、という強いメッセージがありました。また、LeanであるからDevOpsが必要でありLeanでないなのならDevOpsは必要ないのではないか、というハッとするお話もありました。まだ機械学習やAIといった分野に個人的にあまり勉強できていなかったのですが、今後のAI時代におけるシステム開発のフローについては強く印象に残りました。
[AC07] 米国マイクロソフト本社で体験したノウハウを伝授!マイクロサービス実行基盤Azure Service Fabricの勘所
Azure Service Fabricについては、名前と概要だけ聞いたことがある程度で何だかよくわからないけどとにかく凄そうだ、という印象でとても気になっていたセッションです。VMSSベースで動いていて各ノードにいい感じにアプリケーションを配置してくれる強力なマイクロサービス実行基盤なんだなあ、ということをボンヤリと理解しましたが、やっぱり実際に使ってみないと具体的なイメージがつきにくかったです。セッションに不満があるわけではなく、Service Fabricへの第一歩を踏み出すことができた非常に良い機会でした。
[DO05] システムの信頼性を上げるための新しい考え方 SRE ( Site Reliability Engineering ) in Azure, on Azure
最近話題のSREについて「Error Budget」という考え方を中心にSLAで管理していこうという話でした。オンプレミス時代の「落ちないほうがよいでしょう」という考え方から卒業すること、というメッセージにとても響きました。「WhyではなくHow」「Whyは最終的に人を追い詰める」といった話は目から鱗でした。SREの働き方改革ということで「休日は休もう」というメッセージはオンプレ時代には難しかったが、クラウドなら実現可能である、というインフラエンジニアにとって夢と希望が溢れる内容でした。
[SP04] これからのエンジニアに必要な「マネジメント」の考え方
神降臨です。以前、社内コミュニティの勉強会にて講演いただけたことがいまだに夢のようです。内容は「なんでこんなに工数かかるの!?」というエンジニアにとって恐怖のフレーズについて、なぜそんなことを言われてしまうのか、どうすればお互いの認識齟齬をなくせるのか、といった観点からの「マネジメント」についてでした。とにかくシンプルで強力なメッセージで、とても分かりやすく、特に「テクノロジーで人の幸せをつくる」というメッセージは心に深く刻まれました。
[SP07] 落合陽一氏が描く AI ・人工知能の可能性をエバンジェリスト西脇が問う!
メディアアーティストの落合さんとMicrosoftエバンジェリストの西脇さんのフリートークでした。画面には twitterのつぶやきが流れ、ニコニコ動画のような仕込みが楽しかったです。落合さんの研究室ではプログラミングはほとんどしていなくてクローラでデータを収集することがメインとのことでした。あとはDeep Learningで「ぬか漬け」「ウィスキー醸造」するだけと。コミュニケーションツールについてもメールもFacebookメッセンジャーもツライ、Slackが一番早い、と。社内の技術者コミュニティでもSlackを使っているのでとても共感できました。所々で西脇さんによる数枚の画像だけで犬と猫の特徴量を学習し判別できるようになるDeep LearningのデモやPowerPointで多言語への同時通訳するプレゼンなど息をつく間もないライブ感あふれるセッションでした。最後に落合さんから「世の中には不条理がたくさんあふれている。いまあるその課題を解決しよーぜ」というメッセージもあり、なんだか自分達にも社会を変えていくことができるんじゃないかという気にさせられました。
おまけ
100以上もあるセッション数のなか、魅力的なものが多過ぎるので
事前に同僚と重複しないように作戦会議をし、涙をこらえながら取捨選択しました。
(セッションの合間でAsk the Speaker(登壇者とお話できるコーナー)やEXPO(展示)に立ち寄りつい時間を費やしてしまいました。その結果、狙っていたセッション会場は既に入場制限がかかり参加できなかったこともありました・・・)
以下は、同僚が印象に残ったフレーズです。
- 「インクの切れたホワイトボードマーカーがある組織はやばいぞ」
- 「最近、頑張って書いた自動化コードがほとんどVSTSに実装されてしまった。自動化やめたるぞ!」
- 「VS2017はいいぞー」
- 「マシンスペックはエンジニアの基本的人権に等しい」
セッション動画や資料は後日公開されるようなので楽しみに待っています。
以上でレポートを終わります。
※マイクロソフト社の開発者向けイベント de:code 2017に参加した際の、
個人的な感想・SIerのエンジニアとしての感想は、以下でお伝えしています。
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