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デジタル政策フォーラムが主催し、総務省、経済産業省、サイバーセキュリティ本部、NICT、IPAなどが後援する表彰制度「Cybersecurity Awards 2023」が開催されました。
サイバーセキュリティやプライバシーなどの理解を促進させるため、サイバーセキュリティ全般の知識を、一般の人にも分かりやすく伝えた書籍、Web、フィクションなどを表彰する制度です。サイバーセキュリティをより身近に考える環境を整備し、日本におけるサイバーセキュリティリテラシーの向上とイノベーションの誕生を促す狙いがあります。
優秀賞を獲得した2作品を紹介
今回、ラックからエントリーした以下の2つの作品が「優秀賞」を獲得しました。3月15日には、都内で表彰式が開催され、受賞した3人が出席しました。
『サイバーセキュリティ仕事ファイル~みんなが知らない仕事のいろいろ~』(サイバー・グリッド・ジャパン ICT利用環境啓発支援室)
『サイバーセキュリティ仕事ファイル~みんなが知らない仕事のいろいろ~』は様々な分野において、サイバーセキュリティに関わるプロフェッショナルの仕事を紹介する冊子です。インシデントハンドラー、Webアプリケーション診断士、サイバー犯罪捜査官など24の仕事を取り上げています。社会におけるセキュリティ意識向上とセキュリティ業界の人材確保を目指す、サイバーセキュリティの扉を開くセキュリティ入門ガイドと位置付けています。
制作を担当した、ラックのサイバー・グリッド・ジャパン ICT利用環境啓発支援室の高橋怜子は受賞について「何となく分かりにくいイメージのある"サイバーセキュリティ"を、子供たちを含めたたくさんの人たちに知ってもらいたいと思い作成しました。将来の選択肢に、サイバーセキュリティの仕事を入れてもらうことを目指しました。この思いに賛同いただき、インタビューを快く受けてくださった方々や監修の先生方など多くの方の協力により、このような賞を受けられました」と話しています。
『サイバーセキュリティ仕事ファイル~みんなが知らない仕事のいろいろ~』ダウンロード
『情報戦、心理戦、そして認知戦』(著者:佐藤雅俊・上田篤盛の共著)
もう1つの受賞作品である『情報戦、心理戦、そして認知戦』(並木書房)は2023年12月に発売された書籍です。過去の情報戦と心理戦の歴史をひも解きながら、日本が近い将来直面する恐れがあるサイバー脅威や、起こりうる戦争に対処するための視点を提示しています。
サイバー・グリッド・ジャパン ナショナルセキュリティ研究所の所長を務める著者の佐藤雅俊は、受賞について「サイバーセキュリティに関する政策を進める上で重要な表彰だと考えているので、光栄でした。ウクライナ戦争の特徴は国家が主体となった攻撃に犯罪組織が加わったり、偽情報が拡散されたりすることで、われわれを惑わせました。また、最近では、生成AIの普及により様々な偽の動画などが安易に作成されて拡散される状況も生まれています。サイバーセキュリティにかかわる事項はこれまでの、電磁的な情報の詐取や攻撃だけではなく、インターネット上を流れる情報がわれわれの認知領域にどのような影響を及ぼすかも考える必要があります。今回執筆した著書が皆さまにお役に立てば幸せです」と話しています。
また、同研究所に所属する著者の上田篤盛は「ウクライナ情勢が見えにくい中、どの切り口から分析するべきか考えた時に、歴史の視点からウクライナや台湾有事を予測できるのではないかと考え、執筆に取り組みました」と述べています。
審査員はセキュリティ業界のキーマン
審査委員は、審査委員長が情報セキュリティ大学院大学学長の後藤厚宏氏、その他立命館大学情報理工学部の上原哲太郎氏、FFRIセキュリティの鵜飼裕司氏、NICT 執行役 サイバーセキュリティ研究所長の盛合志帆氏、神戸大学大学院工学研究科教授の森井昌克氏、そしてラック社長の西本逸郎など、セキュリティ業界のキーマンが務めています。
ラックはサイバーセキュリティアワードの趣旨に共鳴し、今回の受賞作品のほかにも、多くの作品をエントリーしました。引き続き、日本のセキュリティをけん引する役割を担います。
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