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「自分はそうかんたんにだまされない」、「本当かウソかは、すぐ見分けられる」、そう思っていませんか?しかし、詐欺は巧妙に進化し、多くの人が気づかぬうちに巻き込まれています。
近年、サイバー犯罪や金融犯罪という詐欺による被害が急増し、深刻な社会問題となっています。もはや他人事ではなく、誰もが標的になり得ると言える状況です。あなた自身はもちろん、家族や知人も狙われる可能性があります。では、詐欺にだまされないようにするためにはどうしたら良いでしょうか。
だまされないためには、「相手を知り、自分を知る」ということが重要です。犯罪者の手口や心理操作、そして被害者が陥りやすい心理状況を理解する必要があります。ラックの金融犯罪対策センター(Financial Crime Control Center:以下、FC3)は、サイバー犯罪や金融犯罪の被害を防ぐために、金融機関への対策支援や対策ソリューションの研究・開発、啓発活動などに取り組んでいます。その取り組みの1つとして、詐欺や犯罪から身を守る方法を解説する書籍を発刊しました。
本記事では、一人ひとりが詐欺の被害者にならないために、今知っておくべきポイントを解説します。
詐欺を見破ることは難しい
みなさんは、詐欺による被害が急増していることをご存知でしょうか。振り込め詐欺などの「特殊詐欺」や「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」の被害は、2023年の1年間だけで2万件以上発生しています※1※2。つまり、「自分は大丈夫」と思っている多くの人がだまされているのです。
では、なぜこれほど多くの人がだまされるのでしょうか。その理由は、詐欺の手口が驚くほど巧妙だからです。例えば、以前の詐欺のメッセージには、おかしな日本語で見破れるケースもありました。このようなケースでは、メッセージを受けとった側は違和感を覚えるので、だまされる人は比較的少なかったでしょう。しかし、最近は実際に金融機関がお客様へ送っている案内文をインターネットなどで入手して模倣し、見分けがつかないほど精巧な詐欺のメッセージを作成するケースもあり、文章をぱっと見ただけで見破ることは困難です。
また、新たなデジタル技術も詐欺の手口に使われ始めています。1つ例を挙げると、AIを悪用して偽の画像や音声などを生成する「ディープフェイク」という技術を使い、他人になりすまして相手をだますという手口が確認されています。技術が発展することで社会が便利になっている一方で、詐欺の手口も巧妙化しているのです。
※1 警察庁 令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
※2 警察庁 令和5年中のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について
相手をだます4つの手口と、被害者心理に与える影響
詐欺にだまされないためには、犯罪者の手口と被害者の心理状況を理解することが重要です。詐欺でよく使われている手口の特徴を整理すると、「本物と錯覚させる」、「美味しい話で惹きつける」、「話術と仕掛けで信用させる」、「考えられない状況に陥れる」という大きく4つの手口があると考えられます。
犯罪者は、これらの手口を組み合わせて被害者にアプローチすることで、被害者をだまされやすい状態に陥れているのです。
本物と錯覚させる → 思い込みで疑えなくさせる
実在する組織やサービス、人物になりすまして、本物または本人だと思わせる手口です。被害者は本物または本人だという思い込みで疑えなくなってしまいます。
例えば、実在するサービスになりすます場合、実際に使われているデザインや文章をまねて、詐欺サイトやメッセージを作成します。場合によっては、本物をそのままコピーして、URLだけをわずかに変えた偽サイトを作るケースもあり、一見しただけでは見分けがつきません。
また、実在する人物になりすます場合は、なりすます対象の名前や顔写真を悪用し、SNS上で偽のアカウントを作成します。あたかも本人であるかのように投稿やチャットを行い、信用を得たうえで詐欺へと誘導します。現在は、インターネットを検索すればさまざまな情報が手に入ります。特に、著名人の情報は集めやすいので、比較的容易に偽装できてしまうでしょう。
美味しい話で惹きつける → 欲求を誘って疑うことを疎かにさせる
世の中で関心の高い話題に巧妙に便乗し、都合の良い言葉で気を惹くのは、詐欺でよく使われる手口の1つです。多少疑わしくても、都合の良い話が気になってしまい、欲求に負けて疑うことを疎かにしてしまいます。
関心の高い話題の例として、スポーツのライブ配信が挙げられます。スポーツが好きな方は、自分が応援しているチームの試合を観たいと思う気持ちは自然なものです。犯罪者は、このような話題に「無料」や「今なら安い」などの都合の良いキーワードを含めてSNSやメッセージで拡散し、偽の配信サイトへ誘導する手口が横行しています。しかし、こうしたサイトでは個人情報やクレジットカード情報を盗まれる危険があります。
また、「短時間で簡単に稼げる」「即日高収入」といった甘い言葉で、犯罪の実行役へと誘い込むケースもあります。いわゆる「闇バイト」と呼ばれる手口で、知らぬ間に詐欺や違法行為に加担させられ、加害者側になってしまうリスクもあります。
話術と仕掛けで信用させる → 安心させて疑わなくさせる
入念に準備された説明や巧みな話術、仕掛けによって信用させる手口です。被害者は一度信用してしまうと、たとえ違和感があっても疑わなくなってしまうのです。
信用させる話術の例として、事実に基づいた情報や個人情報を巧みに織り交ぜて説明する手口があります。他にも、手続きの方法を案内する際に、「これは特殊な操作」などと思える理由をつける手口もあります。会話はその場限りのケースもあれば、数週間から数カ月と長い間やり取りを行うケースもあります。すぐに相手に金銭を要求するのではなく、時間をかけて少しずつ信用を獲得する会話を続けるのです。
また、信用させる仕掛けの例として、相手と同じ立場の第三者を装ったサクラに発言させる手口があります。他にも、なりすました人物の声を偽造して作成した音声メッセージを相手に聞かせるケースもあります。
考えられない状況に陥れる → 冷静さを失わせて疑えなくさせる
犯罪者は、相手にとって非常に困ることが起きていると思わせて、冷静な判断を奪うことでだまそうとします。突然のトラブルを突きつけられた被害者は焦りや不安に支配され、早くこの状況から抜け出すことに意識が集中してしまいます。疑う余裕がなくなり、犯罪者の指示に従ってしまうケースが少なくありません。
例えば、銀行口座が犯罪者に盗まれたと説明して、銀行に預けていたお金が無くなったら困ると思わせる手口があります。他にも、パソコンやスマートフォンがウイルス感染したと警告して、パソコンやスマートフォンが使えなくなったり、ウイルスが悪さをして問題が起きたりして困ると思わせる手口もあります。
だまされないために詐欺に対する理解を深め、周りにも共有する
ここまでを振り返ると、犯罪者は「本物と錯覚させる」、「美味しい話で惹きつける」、「話術と仕掛けで信用させる」、「考えられない状況に陥れる」といった4つの手口を駆使し、被害者を心理的に追い込みます。その結果、被害者は「思い込み」や「欲求」、「安心」、「冷静さを失う」という心理状態になってだまされてしまいます。
これらのことから、詐欺にだまされないようにするためには、だまされやすい心理状態にならないようにする必要があると言えます。そのためには、犯罪者の具体的な手口を知り、そして被害者がだまされてしまう心理を深く理解することが重要です。犯罪者の手口を知っていれば似たような詐欺に気づきやすくなり、被害者の心理を理解していれば、自分がそうした状態に陥ったときに「おかしい」と冷静に判断できる可能性が高まります。さらに、こうした知識があれば、新たな詐欺の手法が登場しても応用が利き、自ら防御策を考えられるようになるでしょう。
FC3が発刊した書籍では、詐欺の具体的な被害例をもとに、犯罪者の手口と被害者がだまされてしまう心理を解説しています。詐欺や犯罪者の視点を理解する参考になるでしょう。また、詐欺に遭遇する可能性があるのは自分だけではありません。たとえ自分がよく理解していたとしても、大切な人が詐欺と遭遇した際に必ずしも近くにいられるとも限らないので、一人ひとりが詐欺から身を守る方法を理解しておくことが重要です。ぜひこの機会に身近な人と話し合い、詐欺に対する備えを一緒に深めてみてはいかがでしょうか。
書籍情報
著者:株式会社ラック 金融犯罪対策センター、小森 美武、木村 将之、岡本 信秀、池田 芳輝、海老原 章、新林 直樹、田中 しおり、佐野 智弥
出版社:技術評論社
価格:1,540円(税込)
発売日:2025年3月7日
ISBN-10:4297147289
ISBN-13:978-4297147280
目次
- 第1章 本物と錯覚させる
- 本物をコピーして同じ見た目にする
- 銀行からの手紙と同じ文章を使う
- なりすましで本人だと思わせる
- 第2章 美味しい話で惹きつける
- 「お得なチラシ」と思わせる
- 「かんたんに稼げる」で興味を惹く
- 「無料」で釣ってアクセスさせる
- 「当選しました」で釣る
- コラム ラッキービジター詐欺とは
- 「今なら安い」ですぐに買おうとさせる
- 第3章 話術と仕掛けで信用させる
- 実在する役所の部署を装う
- 個人情報を使って話すことで信じさせる
- コラム 履歴書に自分の情報を書いただけなのに
- 「そうかもしれない」と思わせる理由をつける
- 「後ほど担当よりご連絡します」とリアルなやり取りを見せる
- 長期間にわたりコミュニケーションをとることで信頼関係を築く
- 「仲間がいるから大丈夫」と思わせる
- 本当だと一度証明して安心させる
- 「なりすましじゃありません」という音声で本人と信じ込ませる
- なりすました人物の動画で信じ込ませる
- 第4章 考えられない状況に陥れる
- 「使えなくなる」不都合で焦らせる
- 「盗まれている」で焦らせる
- コラム キャッシュカード詐欺盗の被害者は高齢の女性が多い
- 「捕まる」で不安にさせる
- 警告画面で焦燥感を煽る
- 終 章 だまされる可能性を下げるには
- パソコンやスマートフォンの通知をオフにする
- メッセージはまず疑う
- オフィシャル情報を確認する
- URLにアクセスする場合は事前にチェックする
- 電話番号をチェックする
- 広告ブロッカーを利用する
- 「相談は恥」と思わない
著者プロフィール
株式会社ラック 金融犯罪対策センター
情報セキュリティ分野のリーディング企業である株式会社ラックが、近年増加するサイバー犯罪や金融犯罪に対応する専門組織として2021年5月に設立。「安心して利用できる金融サービス環境の実現」を目指し、多角的な取り組みを展開している。
ラックが持つ最先端のセキュリティ技術やAIの活用に加え、元金融機関での経験を持つ専門家が中心となり、現場の知見を活かした実践的な対策を提案。ITにくわしくない方でも安心して利用できる仕組みづくりを支援し、だれもが安心して暮らせる社会を目指している。
小森 美武(こもり よしたけ)
株式会社ラック 初代金融犯罪対策センター長。
2020年まで三菱UFJ銀行にてサイバー犯罪や金融犯罪対策を陣頭指揮。2018~20年に、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)の幹事。2020年5月に株式会社ラックへ転職。2021年に金融犯罪対策センターを立ち上げ、センター長に就任。現在は、金融機関での実務経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、金融業界への啓発などに従事。
木村 将之(きむら まさゆき)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。
メガバンクにてサイバー犯罪対策や金融犯罪対策の調査・分析および施策の企画・立案に従事。2021年より現職。金融機関での実務経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。
岡本 信秀(おかもと のぶひで)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長(福岡在住)。
地域金融機関を経て2023年より現職。金融機関でのIT企画やシステムリスク管理、サイバーセキュリティなどの経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策、サイバーセキュリティ対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。
池田 芳輝(いけだ よしてる)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。
ITベンダーを経てラックへ入社。2022年までシステム開発・セキュリティ関連・ソリューション導入の販売に従事。2023年より現職。不正取引検知ソリューションのプロモーション、提案、導入支援などに従事。
海老原 章(えびはら あきら)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター 担当部長。
大手金融機関やメガバンクを経て2024年より現職。金融機関での法人取引やトランザクションビジネス企画推進、AML/CFT対策の経験を活かし、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。
新林 直樹(あらばやし なおき)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。
2016年に株式会社ラックへ入社。2017年までおもに金融機関へのサイバーセキュリティ対策のコンサルテーションに従事。その後、2022年6月まで大手金融機関へ出向し、CSIRT業務支援に従事。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションのプロモーション、提案、導入支援等に従事。
田中 しおり(たなか しおり)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。
2020年に株式会社ラックへ入社。2021年まで金融機関へのサイバーセキュリティ分野の動向や脆弱性情報の提供、対策の提言などに従事。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知ソリューションの提案、導入支援などに従事。
佐野 智弥(さの ともや)
株式会社ラック 金融犯罪対策センター サイバーセキュリティ・金融犯罪対策コンサルタント。
2021年まで大学院でフィッシングやAIを用いた悪性サイトの検知について研究。2022年に株式会社ラックへ入社。現在は、金融犯罪対策、サイバー犯罪対策のコンサルテーションや、不正取引検知のソリューションの導入支援、日本サイバー犯罪対策センターやフィッシング対策協議会などの関連外部団体・組織と連携した活動などに従事。
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