ラック、マルチクラウドにおける基盤構築・管理の自動化を支援
~Infrastructure as Codeにより、システム管理の簡便化・迅速化・確実化を実現~
2019年12月 9日 | プレス
株式会社ラック(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西本 逸郎、以下 ラック)は、マルチクラウド環境での基盤システムの構築や管理を運営する際に発生する課題に対し、インフラ構成管理をコード化・自動化することでクラウド環境の管理を簡便化・迅速化・確実化するHashiCorp(ハシコープ)社の「Terraform Enterprise(テラフォーム エンタープライズ)」の取り扱いを開始いたします。
クラウド環境における基盤システムの構築や管理には、ガイドに従って操作するだけで構築できるGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェース)が採用されています。しかし複数のクラウド環境やサーバが数百台から千台にものぼる大規模システムにおいては、GUIによる手作業での構築や管理が管理者の大きな負担となっています。
そこで今注目されているのが、Infrastructure as Code ※1(IaC)です。IaCは、システム構築や更新を自動化することで圧倒的な生産性の向上とミスの軽減を実現するソリューションです。Amazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azure(Azure)など複数のクラウドサービスでは、インフラの構築、運用を効率化、自動化のために、独自のIaC(AWS CloudFormation、Azure Resource Managerなど)が提供されています。しかし、これら独自のIaCはマルチクラウド環境には対応していません。
マルチクラウドを活用する先進的な企業の多くは、すでにマルチクラウドに対応したIaCを活用しています。現在最も市場に受け入れられているのがHashiCorp社の提供する「Terraform」です。Terraformは、オープンソースソフトウェア※2(OSS)として提供され、誰もが無償で利用できるIaC製品です。
しかし、企業が構築するシステムが、管理統制機能を必要とする場合、ポリシー管理やコスト管理などの機能が必要であることから、HashiCorp社は企業が求める機能を加えた「Terraform Enterprise」を開発しました。
このような背景を踏まえ、ラックはDevOps ※3による情報システム開発のモダン化を推進する鍵となる製品として、HashiCorp Terraform Enterpriseの販売を開始します。
Terraform Enterpriseとは
Terraform Enterpriseは、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境に向けて提供されるIaC製品です。複雑化したクラウド環境に構築された情報システムを、簡単に、迅速に、確実に運用するために必要な機能が提供されています。
ユーザはテキスト形式のファイル上に「どこのクラウドサービスのデータセンタで」、「どのようなスペックを持つ仮想マシンやリソースを使うのか」といったインフラの状態を、プログラムコードとして記述し、各クラウドへ反映します。対象となるクラウドが数百台、数千台に及ぶような場合、GUIを通した手作業による設定を行うことなくインフラ環境の構築、変更を自動で行うことができ、人為的なミスを引き起こすことなく正確かつスピーディな対応が可能となります。
またコードでインフラの状態を記述することにより、プログラムのバージョン管理を行うGitHubなどのソースコード管理ツールを用いてインフラの状態のレビュー、バージョン管理、テスト、デバッグなどが可能となり、再現や複製も容易になります。
Terraform Enterpriseを活用することで、次のようなメリットを得られます。
- クラウドサービス毎に異なる構成機能の違いや記述形式の違いをプラグインで対応するため、個々のクラウドサービス向けの記述が必要なく簡単な管理を実現できる
- マルチクラウド環境へ同時に作業を行うことができるため、迅速化が実現できる
(例)Microsoft Azure、AWS、Google Cloud Platform、VMware、Alibaba Cloud、Oracle、Kubernetes、Datadogなど - クラウド各社が提供するGUIを利用せず、プログラムコードで管理する為、人為的なミスが減少する
- ポリシー管理機能が提供され、ユーザの操作を制限することができる
- プログラムコードをバージョン管理でき、問題発生時にはロールバック(元に戻す)できる
- インフラ定義から自動的にクラウドの費用を見積もることができる
ラックは、IaCソリューションの提供を通して、クラウドを活用した事業者が、DevOpsによるシステム開発のモダン化を支援するための取り組みを支援します。
- ※1Infrastructure as Code:インフラの構築・運用に関わる作業をコード化、自動化するアプローチです。設定変更作業をコードで管理することで、手作業による間違いを防ぎ、設定変更を履歴として管理することができます。また設定変更作業を自動化することで、大量のサーバに迅速に設定変更を反映させることができます。
- ※2オープンソースソフトウェア:ソフトウェアのソースコードが一般に公開され、商用および非商用の目的によらずソースコードの利用・修正・再頒布が可能なソフトウェアです。
- ※3DevOps:システム開発と運用を異なる活動として捉えず、二つの活動を交互に実施することで、システムの要件、信頼性、安定性そして安全性を維持しながら、システムを発展させてゆく手法です。
ご参考情報
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HashiCorp Terraform Enterprise
株式会社ラックについて
ラックは、1986年にシステム開発事業で創業、多くの実績を誇る「金融系の基盤システム開発」をはじめ、社会の基盤システムの開発を行っています。1995年にはいち早く情報セキュリティ事業を開始し、現在ではサイバーセキュリティ分野のリーディングカンパニーとして、官公庁・企業・団体等のお客様に業界屈指のセキュリティ技術を駆使した、先端のITトータルソリューションサービスを提供しています。
HashiCorp Japan株式会社について
HashiCorp Japanは、米国サンフランシスコを拠点とし、クラウドインフラストラクチャの自動化を支援するための様々なソフトウェアを提供するHashiCorp, Inc.の日本法人です。これらのソフトウェアを使うことで、あらゆるアプリケーション及びインフラストラクチャのプロビジョニング、セキュリティ確保、連携、および実行に一貫したワークフローを採用できます。HashiCorpが提供するオープンソースソフトウェア(OSS)であるVagrant, Packer, Terraform, Vault, Consul, Nomadは多くのユーザにダウンロードされ、フォーブス・グローバル 2000(世界の有力企業2000社)にて幅広く採用されています。これらの製品のエンタープライズ版はガバナンス&セキュリティ、パフォーマンス強化およびマルチデータセンター機能を提供します。同社は、メイフィールド社、GGVキャピタル社、レッドポイント社、トゥルーベンチャーズ社の後援を受けています。
* ラック、LACは、株式会社ラックの国内及びその他の国における登録商標または商標です。
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