スピード感と品質を両立した、ECサイト開発支援の事例3選

ラックといえば、セキュリティのイメージが強いと思いますが、システム開発においても数多くの実績があります。特にECサイトの開発支援に関して10年以上の実績があり、様々なECサイト構築プロジェクトに携わってきました。

今回は、ラックが手掛けたECサイト開発支援の具体的な取り組みを、事例を通してご紹介します。ECサイト開発を検討している方や、構築・運営に携わっている方の参考になれば幸いです。

ラックのECサイト開発支援

ECサイトは企業戦略において欠かせない要素です。特に、顧客体験の向上による売上・利益率増加を目指す企業にとっては、今後のビジネス展開に適合する拡張性を備えたECサイトの構築や、効率的な運用保守は重要な課題です。

ラックでは、ECサイトに関する課題を抱えたお客様に、サイト構築前のご相談から構築後の運用保守まで幅広い局面での支援を行っています。

取り組み事例

ラックが手掛けたECサイト開発支援の具体的な取り組みについて、3つの事例をご紹介します。

要求事項テンプレートを活用し、迅速なECサイトのリニューアルを実現

あるアパレルブランドのECサイトを運営するお客様は、元々利用しているECサービスのライセンス費用が高額なため、契約更新までの約半年の間に、サービスレベルを落とさずに他の安価なサービスへの乗り換えを検討していました。

しかし、独自開発で多機能なサイトを短期間で再現することはどのECサービスを利用しても難しく、機能の取捨選択が必要でした。さらに、それぞれの機能にはお客様内の複数の部門が関わっており、要件定義が難航することは明白でした。

ラックでは、これまでの多くのECサイト構築プロジェクトの実績とノウハウを活かし、時間がかかる部分を効率的に進めるためにテンプレート化した要求事項（ヒアリング）の資料を利用しています。これにより、ヒアリングから構築作業までスピード感を持って進められます。

このお客様の場合も、過去の類似業種のECリニューアル案件実績を基にしたテンプレートを活用し、効率的に要求事項をすり合わせ、優先順位を設定しました。その結果、短期間でのECサイトリニューアルを実現しました。

お客様の要望に沿ったECパッケージのカスタマイズ提案と導入支援

様々なメーカーのECサイト構築事業を継続的に行っているお客様は、より短納期での構築を求められるという課題を抱えていました。

当時はコロナ禍で店舗売上に影響が出ていたため、多くのクライアントが迅速かつローコストでのECサイトの立ち上げを希望していた背景もあります。お客様は拡張性の高いECパッケージを標準で利用していましたが、機能を最小限に抑えてもサービスインまでに3か月程度かかり、立ち上げスピードに特化したSaaS型ECサービスと比較すると、大幅に遅れが生じる状況でした。

そこでラックは、技術力のあるメンバーを集め、お客様が利用しているECパッケージをカスタマイズしました。ロゴやメニューなど最低限のデザイン変更だけで新規サイトを構築できる、独自のECサイトテンプレートエンジンを作成して提案しました。このエンジンはカスタマイズに制約があるものの、短期間で新しいECサイトを立ち上げられます。デザインとロジックを分離しているため、都度開発ベンダーを介さずにデザイン変更ができるメリットもあります。

これにより、お客様は従来のパッケージを継続利用しながら手軽にECサイトを構築し、新規サービスプランを立ち上げることができました。最短1か月でのサイト構築が可能になり、サービス立ち上げ早々に複数のクライアントから構築依頼を受けました。

ECサイトの利便性を高めるために導入してきた最新機能

近年、ECサイトは急速に進化し、顧客満足度の向上と売上アップに貢献する最新機能が続々と登場しています。そのため、ECサイトを構築して終わりではなく、ラックはその後の運用保守フェーズにおける機能拡張も手掛けています。以下はその一例です。

• OMO（Online Merges with Offline）の導入によるECサイトと実店舗の連携
• 多様な決済手段の導入による利便性の向上（コンビニ決済やAmazon Payなど）
• ECサイトの要件に見合うサイト内検索エンジンの変更による、検索ヒット率とコンバージョン率の改善
• AIを活用した商品レコメンド機能の導入による、最適な商品の提案や顧客の潜在的なニーズの掘り起こし
• 不正注文を検知する仕組みの導入による、安心して利用できるECサイトの実現

ラックでは常にユーザーに最適な商品を届けるため、最新機能の導入と対策を検討し、実施しています。定期的にアクセス解析を行い、改善点を洗い出して顧客体験を向上させるための改修案を提案します。

ECサイト開発支援でラックが手掛けてきたこと

これまでに、数々のECサイトの新規構築やテンプレートエンジン型の簡易的なECサイト構築をお客様に提供してきました。

構築時には仕様の追加や変更が発生することもありますが、まずラックにて開発工数（コスト）を迅速に算出し、お客様が許容可能か確認しながら進めました。コストに見合う必要な機能かどうかは、優先度と照らし合わせて判断しています。また、過去の事例を生かしたテンプレートを活用することで、構築途中の仕様変更を最小限に抑え、スケジュールを守りながらも品質を確保しました。

運用保守では、ユーザーにより良いサービスを提供するために、お客様の潜在的な課題に対する提案や具体的な改善案を提示してきました。複雑にカスタマイズされたパッケージへの追加改修では、影響範囲を正確に見極めることが重要です。修正が予期せぬ箇所に波及しないよう、スピード感ある対応と品質・安全性のバランスを保つことが求められます。ラックでは、万が一の事態が発生しないように、注文機能などの重要な機能についてはリグレッションテストの専用チームを編成し、品質の担保に努めました。

どの開発プロジェクトでも共通することですが、「人」が大切です。ラックでは、ビジネスパートナーとのパートナーシップと信頼性の強化や、各要員の意見を傾聴するコミュニケーション、管理手法を重視しています。有能な要員や有識者を確保し、関係性を継続することで作業の品質を保ち、スピード向上に繋げることを努めています。

おわりに

ラックのECサイトの構築・開発サービスは、ECの黎明期の2000年代初めからECサイト開発に関わっています。その頃から比べると、ECサイト開発の需要も大きく変化しました。また、コロナ禍の影響で実店舗での販売が思うように行えないことから、急遽オンライン販売へ切り替えたお客様も多く、最短でECサイトを構築しスムーズに公開するニーズが高まっています。

ラックはお客様の課題に応じた、柔軟で適切な伴走型の支援を提案します。ECサイトのソリューションについてお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。