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B2CやB2Bのビジネスにおいてデジタル化が進む中で、顧客情報の一元化が課題とされ、多くの企業がその解決策を模索しています。その課題を解決するには、Customer Identity and Access Management(CIAM)というカテゴリの製品が必要です。しかし、CIAMを組み込む際には既存アプリケーションに新たな画面を開発する必要があり、セキュリティとユーザビリティを考慮した作業が求められます。
ラックでは、評価の高いCIAM製品であるOkta Customer Identity Cloud(Okta CIC)で不足する画面をテンプレートとして提供する、「Booster Pack for Okta Customer Identity Cloud」サービスをリリースしました。今回は、このBooster Packがどのようにしてできたのかをお話しします。
CIAMとは
まず、Customer Identity and Access Management(CIAM)について説明します。
「Customer」を除いた「Identity and Access Management」は、略称としてIAMと呼ばれます。1つのユーザアカウントで複数のサービスを利用できるよう整備する機能です。
IAMは、大きく2つに分かれます。Employee(従業員向け)のEIAMと、Customer(顧客向け)のCIAMです。CIAMは、顧客向けのアイデンティティアクセス管理製品です。
CIAMでもEIAMでも同様ですが、OpenID ConnectやSAMLを用いて、認証連携の設定を行います。
Webサービスの画面フローを収集
私はBooster Packを開発するにあたり、適切な画面フローを用意し、無駄なく適用できることを考えました。元々、個人的な興味で収集していた各Webサービスの画面遷移フローを、さらに収集しました。
「このサービスはさすがだ。マネするには相当なコスト(作りこみ)がかかる」「盛り上がっているけれど、画面遷移にもう一工夫ほしい」「これで同意管理はリーガル的に大丈夫なのか」といった感想を持ちながら、気づくと収集マニアと化していきました......。その中で落としどころの感覚を持ちはじめ、実際に開発する画面フローを作成するに至りました。
インフラを気にしたくない!
サーバーレスはどこまで使えるのかと、アプリエンジニアと会話していると、「最近はクライアントサイドで動く」とのこと。エンジニアとして働き始めたころ、「JavaScriptは危ないから無効にしろ」と言われたことは過去の話です。
そこで、開発する条件として、クライアントサイドで動作することにしました。ただ、どうしてもサーバーサイドで動作させないといけないケースはあります。その場合は、LambdaなどのHTTPを実行する形にします。
さいごに
顧客アイデンティティは、デジタルビジネスの核心部です。その重要性を理解し、可能な限り早めに着手することで、効率良くデジタルビジネスを拡大できます。
しかし、Okta CICをはじめ、CIAM製品の適用は容易ではありません。当サービスを利用しても、調整作業が完全になくなることはありませんが、少しは楽になるでしょう。
今回は顧客アイデンティティにフォーカスしましたが、デジタルビジネスをサポートするエンジニアが多数在籍しています。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
プロフィール
稲毛 正嗣
キャリアはクリエイティブでスタート。事業会社の情シス、ITコンサルを経て、2017年ラック入社。現在は、アイデンティティとデータのカテゴリで活動中。
趣味はF1観戦、レゴ、Active Directoryのスキーマを見ること。Oktaを担当しつつも、自宅はMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)とIntuneで構成。
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