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エッジコンピューティングは、クラウド化することで起きる処理速度の低下やデータセキュリティの課題を解決する方法論として注目を集めています。データの処理、分析、保存をデバイスに近いサーバーなどで行うことで、レイテンシの削減、帯域幅の節約、プライバシーの保護など、多くの利点を提供します。
しかし、これらの価値を最大限に活かすためには、クラウドとエッジコンピューティングの組み合わせを理解し、適切に活用する必要があります。
この記事ではエッジコンピューティングの活用事例と、導入を検討する際のポイントを紹介します。
エッジコンピューティングとは
エッジコンピューティングはデータの生成源に近い場所でデータを処理する技術です。
これによりデータ転送時間が短縮され、リアルタイムに近い処理が可能になります。その結果、ビジネスの効率化、顧客体験の向上、新たなビジネスモデルの創出など数多くのメリットが生まれます。
エッジコンピューティングのメリット
エッジコンピューティングの導入にはいくつかのメリットがあります。
低遅延
データ処理がデバイスに近い場所で行われるため遅延がほとんどなくなります。これによりリアルタイム性の高い制御や監視を行うことができ、アプリケーションの幅が広がります。
セキュリティ
データはエッジ(デバイスあるいはデバイスの近くにあるサーバー)で処理できるため、クラウドにはデータを置かない構成にできます。このため機密情報の保管場所やプライバシーに関する懸念が軽減されます。
またデータの漏えいリスクも低減してセキュリティ向上に寄与します。
ネットワーク負荷の軽減
エッジコンピューティングでは処理結果のみをクラウドへ送信するので、ネットワーク負荷を軽減できます。これによりネットワークの効率が向上しコストを削減できます。
エッジコンピューティングの活用事例
エッジコンピューティングの具体的な活用事例をいくつか紹介します。
自動車:自動運転
自動運転はエッジコンピューティングの代表的な例です。自動運転車は運転中に膨大な量のデータを生成し、それをリアルタイムで処理する必要があるためエッジコンピューティングを活用します。
データは車内で処理され、必要な情報だけがクラウドに送信されます。これによりデータ転送量が大幅に削減され、リアルタイムの運転支援が可能になります。
製造業:プレディクティブメンテナンス
製造業では、エッジコンピューティングを活用して機械の故障を予測し、メンテナンスを効率化するAIによるプレディクティブメンテナンスが実現しています。
従前のメンテナンスと比べてセンサーデータをエッジデバイスで処理・分析して異常なパターンを検出するため、検出スピード、精度共に向上しています。
流通業:グラブ&ゴー
流通業ではお客様が店で手に取った商品をそのまま持ち出すだけで決済が完了する、グラブ&ゴーの実証店舗などが登場してきています。
こちらもエッジコンピューティングを活用しており、エッジデバイスで入店者の特徴を処理しておくことでクラウドにある決済システムとのやり取りを簡素化し、高速な決済を実現しています。
エッジコンピューティングの導入を検討する際のポイント
エッジコンピューティングの導入を検討する際には、以下のポイントを考慮して進めます。
ビジョンと戦略の確立
最初に、どのようなビジョンと戦略を持ってエッジコンピューティングを導入するかを明確にしておきます。ここではどの分野で活用するか、どのメリットを追求するかを定義します。
例えば、エッジコンピューティングはリアルタイムのデータ処理が可能ですが、それが必要な場合は限られると思います。
インフラストラクチャの整備
エッジコンピューティングを実現するには、適切なハードウェアとソフトウェアのインフラストラクチャが必要です。これらを整備するための計画を立てます。インフラの整備にかかるコストと見込まれる価値の比較検討も必要です。
データ管理とセキュリティの強化
データ管理とセキュリティの検討はエッジコンピューティングの導入に不可欠な要素です。データの収集、保存、保護に関する適切なプロトコルを決定しておきます。
PoCの実施
エッジコンピューティングのPoCプロジェクトを実施して効果を検証します。少額の投資で導入の信頼性を高められます。
コンサルティングの活用
エッジコンピューティングの導入には専門的な知識が必要です。コンサルティングサービスを利用して導入プロセスをスムーズに進められます。
さいごに
エッジコンピューティングはデジタル変革を推進する強力なツールとなります。しかし、それを最大限に活用するには適切な戦略と計画が必要です。
私たちラックでは情報セキュリティやインフラの適切な実装、運用の実績があり、エッジコンピューティングに関するご相談も承っております。ぜひご相談ください。
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