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AWS認定資格を全て保持する「Japan AWS All Certifications Engineers」になりました!

クラウドサービス部の石井です。
先日、AWS認定資格を全て保有するエンジニアへ贈られる、「2024 Japan AWS All Certifications Engineers」に選出されました。

AWSの実務経験は3か月間と短いながら、2023年度に10個の認定試験に合格して受賞に至りました。この記事では、私が受賞を目指した理由や学習方法、表彰を通して得たものをご紹介します。

これからAWS All Certifications Engineersを目指すきっかけや、参考になれば幸いです。

Japan AWS All Certifications Engineersとは

AWSパートナーである企業に所属し、全てのAWS認定資格を保持しているエンジニアを対象とした表彰プログラムです。AWSが認定する資格の種類も増え、AWS認定資格を全て保持する難易度は年々高くなっています。

AWS認定資格一覧(2024年度選考時)

  • AWS Certified Cloud Practitioner
  • AWS Certified Solutions Architect - Associate
  • AWS Certified SysOps Administrator - Associate
  • AWS Certified Developer - Associate
  • AWS Certified Solutions Architect - Professional
  • AWS Certified DevOps Engineer - Professional
  • AWS Certified Security - Specialty
  • AWS Certified Database - Specialty
  • AWS Certified Machine Learning - Specialty
  • AWS Certified Advanced Networking - Specialty
  • AWS Certified Data Analytics - Specialty
  • AWS Certified SAP on AWS - Specialty

2024 Japan AWS All Certifications Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ

条件を満たした上で個人での申込が必要なので、後述するスケジュールを参考に計画的に準備を進めることをおすすめします。

なお、受賞すると2024年度(2024年7月~2025年4月)にAWS主催で行われる、AWSパートナー向けテクニカルセッションの優先参加権と副賞が提供されます。

表彰までのスケジュール

表彰は年に1回行われます。参考までに、2024年のスケジュールを記載します。

2023年9月20日 クライテリアのお知らせ

2024 Japan AWS All Certifications Engineersが告知されました。表彰までの大まかなスケジュールに加えて、対象となる資格が発表されます。廃止予定やBeta版の認定が対象になるのかは、このタイミングで確認できました。

2024年2月29日 応募方法の案内

応募用サイトや応募期間についての告知がされました。案内の内容に沿って対応すれば、特段困る点はありませんでした。

2024年6月20日 APNブログでの発表

AWS Summit Japan開催と合わせて表彰が発表されました。

私はAWS Summit Japanに現地参加しましたが、記念品がもらえたり表彰セッションがあったりと、受賞を実感できるコンテンツが多くあったことが嬉しかったです。

認定保持で貰えたグッズ
認定保持で貰えたグッズ。ステッカーはiPadの裏面に飾っています
表彰の記念品
表彰の記念品。ピンバッチとステッカーがもらえました
表彰セッションの様子
表彰セッションの様子。表彰者の名前が液晶に表示されるのですが出遅れました......

受賞までの道のり

ここからは私自身についての話をしていきます。学習の動機や方法、受賞で得られたことなど、今後受賞を目指す方の参考となれば幸いです。

受賞を目指した時点での略歴と保有資格

2023年4月時点の私の経歴や保有資格は、こちらのような内容でした。

略歴

  • 2019年に新卒でラックに入社。大学は文系出身
  • 案件はGoogle Cloudがメインで、約3年従事している
  • AWS実務経験は入社1年目のOJT期間のみで、3か月ほど

保有資格

  • AWS Solutions Architect - Associate(2019年12月取得)
  • AWS Solutions Architect - Professional(2021年2月取得)
  • AWS Security - Specialty(2022年6月取得)
  • Azure Solutions Architect Expert(2021年12月取得)
  • Google Cloud Professional Cloud Architect(2022年2月取得)など

AWSは新卒で入社後に触り始めました。実務経験の中ではGoogle Cloudを触る期間が長く、資格はパブリッククラウド系のものを中心に取得しました。

受賞を目指した動機

入社後の実務経験はGoogle Cloudが長いのですが、世界的なシェアやラックの案件状況を考えると、クラウド系の案件に携わり続けるためにはAWSにも精通している必要があると感じていました。また、Google CloudとAWSを組み合わせて利用するケースもあるため、Google Cloudの経験だけでは身に付けることが難しいAWSの学習をしたいと考えていました。

そこで、2023年4月から本格的にAWS All Certifications Engineersを目指し始めました。AWSの知識を深め、難しい目標を達成する経験を積みたいという自己成長の動機もありましたが、最も強く私を突き動かしたのは「社内初のAWS ALL Certifications Engineersになりたい」という気持ちでした。社内にはAWS全認定取得を目前にしている人もおり、2023年度が最後のチャンスでした。

学習方法

2023年度に10個の認定試験(既存更新分を含む)に合格する必要があったため、効率性を重視しました。

具体的には、Web問題集を中心に学習し、問題を解いた後に解説を見て理解を深めました。十分に理解しきれない箇所があれば、AWS Black Belt Online Seminarを参照して補強するのがおすすめです。

また、学習内容や方法以上に継続が重要だと考え、学習を続けるための工夫をしていました。例えば、2023年度に受賞を目指すことを上長に宣言することで後に引けない状況を作り、試験申込を先にしておいて学習しなくてはいけない状況にするといったことをしていました。

受験の振り返り

学習の実績

受賞に向けた資格取得の実績をまとめました。各試験で獲得した得点と、学習に費やした時間を入れているので目安にしてください。

DBSは、全冠を目指す前から学習を進めていたので、一番早い5月に受験しました。それ以降は計画を立てて進めていましたが、まずはAssociateレベルのSOAとDVAを受け、その延長線上にあるDOPを続けて受験しました。

その次にSpecialty系を受けましたが、難易度が高いものは早めにやっておきたかったのでANSから受講して、その後は興味がある分野から順に受験しました。途中でCLFを受験していますが、これはANSが不合格となったことで、認定合格時にもらえる受験料50%OFFのバウチャを切らしてしまい、このタイミングで受けました。そして、最後に2024年2月に失効するSAPを受験しました。

受験日 資格名 得点 学習時間
2023年
5月2日
Database - Specialty
(DBS)
780 25時間
2023年
6月17日
SysOps Administrator
- Associate(SOA)
726 5時間
2023年
6月24日
Developer - Associate
(DVA)
753 10時間
2023年
8月18日
DevOps Engineer -
Professional(DOP)
787 25時間
2023年
11月20日
Cloud Practitioner(CLF) 858 5時間
2023年
10月26日
(不合格)
Advanced Networking
- Specialty(ANS)
735 50時間
2023年
12月3日
789
2023年
12月27日
Data Analytics - Specialty
(DAS)
812 20時間
2024年
1月4日
Machine Learning -
Specialty(MLS)
798 15時間
2024年
1月6日
SAP on AWS - Specialty
(PAS)
895 15時間
2024年
1月28日
Solutions Architect
- Professional(SAP)
810 15時間

印象に残っている認定試験

特にANSには苦戦しました。ネットワークの知識に乏しく、他の認定試験と比べて問題の文量が多かったためです。なんとか合格できたのは、AWS Black Belt Online Seminarの存在が大きかったと思います。初歩的な内容から、各AWSサービスの詳細が説明される動画があり、大変役立ちました。

DNS周りの知識補強に、以下が参考になりました。

大規模なネットワークに使われるサービスについて、以下も参考になりました。

受賞を通して得たもの

受賞したことを通して、大きく3つのものを得たと感じています。

さまざまなサービスや機能の知識

AWSについて学習する日々の中で、多種多様なサービスや機能、これらのユースケースを知ることができました。しかし、座学中心だったため、身に付けた知識が全て自分の技術力に還元されているわけではありません。この点を自覚し、これからの業務や自己研鑽を通して、得た知識を技術力に昇華させたいと考えています。

AWS案件に携わる機会

AWSの全認定を取得した人という認識が社内で広まり、AWSに関わる業務に携わる機会が増えました。ラックではAWS以外の案件も多くあるため、AWSといえば私という認識が生まれたことで、今後はより多くのAWSに携われると感じています。

未知のことを理解しようとする胆力

AWS認定にはさまざまな分野があり、私の場合は半分以上が未経験の分野でした。分からないことが多く投げ出したくなることもありましたが、それを乗り越えていく経験をしたことで、未知のことを理解しようとする胆力が身に付いたと感じます。これは、日々技術が進歩していくIT業界においては、特に重要だと感じています。

さいごに

努力の成果が表彰として残り、多くの学びを得られたため、受賞を目指して良かったと感じています。その一方で、私自身はまだまだ実務経験が浅く、AWSのプロフェッショナルと称するには至ってないとも自覚しています。

受賞までの道のりを通して身に付けた知識を、与えられた機会の中で発揮していくことで、AWSのプロフェッショナルと自負できるような経験を積んでいきたいと考えています。

プロフィール

石井 友也

石井 友也
Google Cloudを中心としたクラウド基盤の保守・運用・改善に従事しています。AWSやAzureなどを含めたクラウドサービス全般に興味があり、資格試験を通して学習しています。これまでに20以上の資格試験に合格しています。クラウドサービスや資格取得をテーマとした情報発信を行っていきます。

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