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クラウドインテグレーションサービス部の鎌田です。
ラックでは毎年、「スキルアップ機会の創出」を目的に、短期集中的に様々なトレーニングや講義を実施する社内イベント「トレ☆フェス」を開催しています。
2023年11月に開催したトレ☆フェスでは、先輩社員の内海と共同でパブリッククラウド初心者を対象にAWS、Microsoft Azure、Google Cloud(旧Google Cloud Platform:GCP)、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)の特徴を調査し、様々な観点から比較検討する講演を担当しました。
講演の準備をする中で、Google CloudはAWSと比較するとグローバル展開を前提としたサービスとなっており、マルチリージョン環境を容易に構築できると知りました。講演内で実際にAWSとGoogle Cloudのマルチリージョン環境を構築し、各クラウドベンダの機能と構築難易度の差を検証しましたので紹介します。
マルチリージョン環境検証の要件とポイント
今回の検証では以下の要件に基づいてWebシステムを構築しました。
- 大規模災害を想定し、2つのリージョンにサーバとオブジェクトストレージを構築
- ユーザと地理的に近いリージョンのシステムで処理を実施
上記の要件を実現するシステム構築のポイントは以下の2点になります。
- ①マルチリージョンWebサーバ構築
- ②マルチリージョンオブジェクトストレージ構成
このポイントに基づき、AWSとGoogle Cloudにおける機能と構築難易度を比較しました。
AWSマルチリージョン環境の構築・検証
検証用に構築したAWSマルチリージョン環境は以下の通りです。
社内検証環境の利用制約により、今回は東京リージョンとバージニア北部リージョンを利用しました。
AWSマルチリージョン環境構成
今回構築したAWSのマルチリージョン環境構成について説明します。
AWSのWebサーバ構築のポイントはAmazon Route 53です。Route 53を使用すると、ドメイン登録、DNSルーティング、ヘルスチェックの3つの主要な機能を任意の組み合わせで実行できます。
※ Amazon Route 53 とは? - Amazon Route 53
各リージョンにEC2インスタンスとALB(アプリケーションロードバランサ)を作成したのち、Route 53で地理的近接性ルーティングとフェイルオーバーを有効化しました。
地理的近接性ルーティングはRoute 53の中でも少々特殊で、トラフィックフローを利用する場合のみ使えるルーティングです。トラフィックフローとは、Visual Editor(ビジュアルエディタ)という機能を利用して視覚的にルーティングポリシーを設定できるサービスです。トラフィックフローを利用することで複数のルーティングポリシーを感覚的に設定できます。
今回はフェイルオーバールールとユーザと地理的に近いリージョンへのルーティングという条件を組み合わせて、ルーティングを作成しました。
また、AWSのオブジェクトストレージ作成の際はAmazon S3のクロスリージョンレプリケーションルールを利用し、各リージョンにS3バケットを作成したのちにレプリケーションルールを適用しました。
他リージョンにて利用可能な機能
AWSには上記のほかにもマルチリージョン環境の構築を容易にする機能が存在します。
ただし、それらの機能を実装するためにはオレゴンリージョンを利用する必要があり、今回は環境的制約のため検証ができませんでした。マルチリージョン環境の構築をお考えの方は、ぜひ以下の機能の利用も検討してみてください。
AWS Global Accelerator | 複数リージョンのALBに対してレイテンシーベースのルーティングと自動フェイルオーバーに対応 |
---|---|
Amazon S3 マルチリージョンアクセスポイント |
複数のS3バケットに対して最も近い利用可能なリージョンへのルーティングと自動フェイルオーバーに対応 |
Google Cloudマルチリージョン環境の構築・検証
今回検証用に構築したGoogle Cloudマルチリージョン環境は以下の通りです。
利用したリージョンは、東京リージョンと大阪リージョンです。
Google CloudマルチリージョンWebサーバ構築
Google CloudのWebサーバ構築のポイントは、グローバル外部アプリケーションロードバランサです。
グローバル外部アプリケーションロードバランサとはGoogle Front End(GFE)でマネージドサービスとして実装されるグローバルロードバランサです。ロードバランサを1つ作成するだけで複数リージョンのWebサーバをバックエンドに指定できる点が特徴です。
今回の検証では、各リージョンのインスタンスグループ作成と、グローバル外部アプリケーションロードバランサの作成のみでマルチリージョン環境の構築が完了しました。
Google Cloudマルチリージョンオブジェクトストレージ構築
Google Cloudのオブジェクトストレージ構築のポイントはロケーションタイプです。
Google CloudはCloud Storageバケットの作成時に、ロケーションタイプでDual-regionを選択すると、複数リージョンでバケットを作成できます。今回の検証ではロケーションタイプにDual-regionを選択し、東京リージョンと大阪リージョンを指定することで、一度に2つのオブジェクトを作成できました。
AWS環境とGoogle Cloud環境の比較
今回の検証では各種制約により、AWS環境のオブジェクトストレージはAct/Standby構成、Google CloudはAct/Act構成となっています。
最終的に構築できた環境や構築の煩雑さを鑑みると、Google Cloudは簡単なコンソール作業のみでマルチリージョン構成を作成してくれる機能が多く実装されていました。
一方で、利用できるリージョンに制約があるものの、AWS Global Acceleratorとマルチリージョンアクセスポイント機能を利用すればAWSにおけるマルチリージョン環境構築の難易度はGoogle Cloudと大差がないことも想定できました。
AWSにおいてマルチリージョン環境を構築することは可能ですが、Google Cloudと比較して留意事項があります。マルチリージョン環境構築の難易度そのものに大きな差はないものの、AWSと比較するとGoogle Cloudのほうがトラブルが少なく環境を構築できると考えられます。
検証内容 | AWS | Google Cloud |
---|---|---|
マルチリージョン Webサーバ構築 |
ALB+Route 53 (地理的近接性ルール、 フェイルオーバールール) |
グローバル外部ALB |
AWS Global Accelerator※ | ||
マルチリージョン オブジェクトストレージ Active/Active構成 |
S3 マルチリージョン アクセスポイント |
Cloud Storage Dual-region |
マルチリージョン オブジェクトストレージ Active/Standby構成 |
S3 クロスリージョン レプリケーションルール※ |
- |
※ オレゴンリージョンのみ利用可能
さいごに
一般的にGoogle Cloudはグローバルなシステム構築を意識したマルチリージョン展開を前提としているサービスが多い印象が強いですが、AWSでもグローバルなシステムを容易に構築できる可能性があることがわかりました。市場シェアの獲得を目指し、他クラウドベンダでは競合他社の強みを自社システムに取り入れる動きが活発化しています。
今回の検証を通して、一般的に広まっている情報をうのみにするのではなく各クラウドベンダが実装している機能を確認すること、そして継続してベンダが発信する情報をキャッチアップすることが重要であることを学びました。
皆さんもクラウドシステム構築の際は先入観を捨て、各クラウドベンダが実装している機能を確認してみてください。
プロフィール
鎌田 知里
文系未経験で新卒入社をしたインフラエンジニア2年生(2024年現在)。オンプレNW保守業務を1年経験し、現在はTerraformを利用したAWS構築業務に従事しています。ハリポタは邦訳より原作派。
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