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クラウド初心者が、AWS re:Invent 2023に1週間行って得たこととは?

こんにちは。クラウドインテグレーションサービス部の新山です。現在の業務は、オンプレのインフラ構築からAWSへスキルシフトをしている最中です。

2023年11月26日~12月1日にラスベガスで開催された、「AWS re:Invent 2023」に参加してきました。

世界からはもちろん、日本からも多数の方が参加しました。日本語のセッションもあり、Expo(事例展示や、AWSとAWSパートナーによるソリューション展示)では日本企業も参加しています。ラスベガスまでの距離は遠くとも、日本にとっても縁遠くないイベントではないでしょうか。

本記事では、技術者でありながらもオンプレ案件が長いクラウド初心者の私が、1週間のイベントで学んだことや感じたことをお伝えします。

AWS初心者でも参加して大丈夫?

答えはもちろん「YES」です。

私がAWS re:Inventを知ったのは、恥ずかしながら今回の話を受けたときでした。入社してから今までクラウド案件に携わったことは何度かありましたが、オンプレ案件が長く、クラウドに関する知識はもしかしたら新人の方のほうがあるのではないかという超がつくほどのAWS初心者です。そんな私ですが「ラスベガスに1週間行ける」という夢のような話に惹かれ、イベント参加を決めました。

AWSについては初心者、英語についてはコミュニケーションを取れるけれど英語ができますと大声では言えないレベルです。そんな私でも、AWS re:Inventに参加し、現地の熱量に触れ、多くのセッションを受けて自分の中で考えさせられました。

なので、AWSを少しやっているしラスベガスに行ってみたいというそこのあなた、イベントに参加する意義は大いにあります。動機は何でもいいのです!行ってみたいというその一歩が明日の成長につながることを、身をもって体験しました。

AWS re:Invent会場にあるボードへ寄せられた沢山の書き込み

AWS re:Invent 2023で得たこと

AWS re:Invent 2023はラスベガスの6つのホテルを使い、1週間で2,000以上のセッションを用意しています。日本語のセッションもありますが、数は少ないです。Keynoteは日本語でも聞けますが、同時翻訳のトランシーバーはメイン会場のみで使用可能であったため、どう頑張っても英語で話を聞かなければいけない場面が多かったです。

私は英語にコンプレックスがあったので、社会人になってから気休め程度ではありますが英会話を学び、またプロジェクトの時間が取れたときは社内の英会話教室に参加しており、英語に対する抵抗感はないもののビジネスレベルには到達していません。そのため、内容を100%理解できなくても、イベントに参加してよかったと思えたセッションや経験をお伝えします。

スピーカーの熱量に心が動かされる瞬間を体験せよ
From machine to digital services: Equipment as a service(MFG104)

こちらのセッションは、技術、クラウドのどちらの話がメインでもなかったように感じました。テクニカルに寄りすぎていない内容が初心者には理解がしやすく、自己啓発となるようなセッションでした。

内容は、印刷機メーカーが機械を売るだけではなく、サービスを売るというところまでビジネスを拡大したという話でした。セッションの中で、なぜ印刷機を売る以外のことを考えたのかという話をされており、小さなきっかけが大きな飛躍に繋がるのだと感じました。「ピンチはチャンス」とよく言いますが、チャンスを掴むために視野を広げることの大事さをスピーカーの熱量で再認識しました。

自分はこのような視野の広げ方はできないかもしれないとも思いましたが、新しい情報や技術を取り入れるだけでも視野が広がるのではないかと思えたので、このセッションを受講してよかったです。

1週間のうちに2,000以上のセッションがあるので、自分の小さな興味に耳を傾けてセッションを受講することも大事です。現地で何となく選んだセッションに心が動かされる、そんな貴重な体験ができました。

クラウドに乗り遅れている危機感を実感せよ
How Aflac built a cloud-fluent culture to speed up migration(ENT238)

こちらも技術的な話ではありませんが、私の危機感が高まった貴重なセッションでした。

ラックにご相談いただく案件の中には、オンプレからクラウド移行の案件があります。そうであっても、オンプレ案件は一定数存在しているため、クラウドに関する知識を吸収し続けなくても仕事ができてしまうという現状があります。そのため、「これからはクラウドだ」と言われても案件の合間に十分な時間が取れず、クラウドの波に乗り切れていませんでした。

Aflac様による講演の中で、クラウド移行を加速できた要因の70%は技術的なことではないとの発言がありました。もちろんAWSの技術はとても素晴らしく、それによって達成できたことはオンプレでは成しえなかったと思えたため、30%の技術の重要性もしっかりと理解できました。

なぜAWSなのか理解はしているものの、スピーカーの熱量により頭ではなく心で理解できるということは大変貴重ではないでしょうか。その上で、残りの70%は強力なリーダーシップとクラウド技術に対するメンバー育成などであると話していました。

セッションを終え、私はとてつもない危機感とオンプレの知識のみで仕事をできている状態について、とても考えさせられました。

まず危機感については、ここではスピーカーの熱量により「これからクラウドをやらないといけない、何なら出遅れていてここから巻き返しが図れるのだろうか」というものです。会社で上司に言われても「でも今の案件はオンプレだし」などと胡坐をかいていた自分が嘘のように、とてつもない危機感でいっぱいになりました。

そして、2つ目のオンプレの知識のみで仕事をできている状態についてです。今まで必要最低限の勉強でクラウドの知識を学んできましたが、私が感じた危機感はこの知識では到底追いつかないでしょう。私を含め、クラウドの知識を学ばなくても仕事ができる現状に満足している人がいるのではないでしょうか。

また、セッションの中で2025年には85%がクラウド化されると話していました。海外ではクラウド化は司法の場まで広がっているので、今後も増えていくことが予想されます。オンプレ案件はゼロにはならないけれど、オンプレもクラウドもできる人間が重宝されることは明白であり、現状の「オンプレの知識のみで仕事をできている状態」は長く続かないということを感じました。

スピーカーの方が話されていた、クラウド技術に対するメンバー育成というのは、こうしたオンプレ案件で仕事をしている人間にこそ、時間と労力をかけてする必要があるのではないかと気付かされました。

あがったのは自己肯定感?それともモチベーション?

さて、セッションの話をメインでしてきましたが、仕事以外にも個人的には実りのあった1週間でした。最後は、私の個人的な話をします。セッションは、朝からヨガをしたり、5km走ったりというアクティビティもあったので参加しました。

ラスベガスにて5kmを走るアクティビティに参加

5kmを走るイベントは、ラスベガスの車道を一部閉鎖して行われました。観光で訪れるだけでは経験できない、このイベントの現地参加者の特権ではないでしょうか。歩いている人もいたので、体力に自信がなくても参加可能なので安心してください。

また、ビンゴ大会もあり、そこではAmazon製品をもらえるチャンスもあります。私は残念ながらゲットできませんでしたが......。さらに、木曜日の夜にはre:Playという打ち上げパーティーもあります。

とはいえ、実施されるイベントでのコミュニケーションは全て英語です。私は英語にコンプレックスがあると紹介している通り、このイベントに参加する直前は「私の英語力じゃ何も持ち帰れない、どうしよう」と不安に思っていました。

そんな中で、食事会場やセッションの列に並んでいるときに話しかけてくれる人、ビンゴで一緒のテーブルになった人、re:Playで話してくれた人、色んな人のおかげで1cmしかなかった自己肯定感が、10cmくらいになった気がします。「拙い英語でごめんね」と言っても、「全然問題ない、話せているよ!」や「また1年英語を勉強して来年ここで会おう!」と言ってくれた人々がいて、本当に感謝しています。

英語が話せないと殻にこもっていてはいけないので、積極的に英語での会話に挑んできました。恐らくセッションを聞いているだけでは、自己肯定感が下がりに下がって帰ってきていたかもしれません。会話はコミュニケーションなので、相手は私の理解を待ってくれます。

できないなりに会話をしたことは、自己肯定感が少し上がり、勉強をするモチベーションにもつながりました。会場で仲良くなった人が1月1日の地震のニュースを知ったようで、「大丈夫だった?」と連絡くれたのも嬉しかったです。

さいごに

私は今回のイベント参加の打診を受けたときに、何も考えずに「行きたい」と口走った記憶があります。

「Don't think!Feel!」

まさにこの言葉通りだったわけですが、1週間正直楽しいだけではありませんでした。せっかくのラスベガスなのにほとんど観光もできず、夕飯はまともな食事がほとんど取れませんでした。毎日たくさん歩き、英語を多量摂取し、最新の技術に触れるが完璧に理解ができず、心身ともに疲労困憊でした。

それでも、ラスベガスは朝夕こんなに寒くて乾燥しているのかとか、ラスベガスという土地の空気を感じ、たくさんのセッションに参加し、今後自分がどうしていきたいのか、自分に何ができるのかを考えるきっかけにもなりました。頭では理解していたことを心から理解することができたので、このような貴重な機会を与えてもらいとても感謝しています。

特に、今までのらりくらりと過ごしていたクラウドの波にきちんと乗るべく、勉強のモチベーションに繋がったことは現地の熱量に触れたからだと思います。また行けるチャンスがあるなら、AWSの知識と英語力をつけ、レベルアップした状態で友達になった人たちと再会を果たしたいと強く思います。この記事を読んで、AWS re:Inventに行ってみたいと興味を持つきっかけになってくれたら幸いです。

AWSにはABW Grant(All Builders Welcome Grant)という制度があり、若手の方への参加ハードルを下げているようなので、興味のある方は上司に相談しつつ、ABW Grantでの参加も検討してみてください(友達になった外国の方がABW Grantで参加していました)。

レゴで再現したラスベガスの街

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