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「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」を受験して業務に活かせたこと

ラックは付加価値の高い技術者の育成のため、Salesforce開発の専門知識とスキルを深めることができるSalesforce資格の取得を推奨しています。

今回は、私が取得したSalesforce 認定 Platform デベロッパー試験の概要と、資格取得で身に付けた知識を実際の業務で活かせた事例を共有します。

Salesforce 認定 Platform デベロッパーとは

「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」はSalesforce社が提供する認定資格の1つです。Salesforce プラットフォーム上でプログラミング機能などを使用してSalesforceの画面や機能をカスタマイズする知識を問われます。現在の資格者数は3,788人です。(2024年5月時点)

Salesforce 認定資格保持者数 企業別一覧 - Salesforce

試験内容と勉強方法

「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」試験ではSalesforceの開発方法やデータモデルに関することを問われます。試験内容をまとめたものは以下です。(今後、試験内容は変更される可能性があります)

SALESFORCE 認定 PLATFORM デベロッパー - Quip

デベロッパーの基本 ・データモデルの理解(オブジェクト、項目、リレーションシップ、外部IDなど)
・カスタマイズの種類とユースケースの理解(ガバナ制限、数式項目、積み上げ集計項目)
プロセスの自動化とロジック ・フローなどの宣言型機能の理解
・Apex言語、SOQLの記述方法、ベストプラクティスの理解
ユーザーインターフェース ・Visualforce ページの表示、変更方法の理解
・Lightning Web コンポーネントのユースケースとベストプラクティスの理解
テスト、デバッグ、リリース ・作成した処理をテストする方法の理解
・コードと関連する設定をリリースするための環境、要件、プロセスの理解

試験を受験する上で苦労したのは、覚える情報がとても多いことでした。基本的なデータ構造はもちろん覚える必要がありますし、他にも機能の使用方法やそれぞれのできること・ベストプラクティス、システム的な制限事項の数値(CPUの使用制限や取得するデータ数の制限など)、Apex言語の中でも重要な構文、データを保存された時に実行されるシステムの動き(20個の項目の内容と順番)等、ここに書ききれない量の情報を覚える必要がありました。

勉強期間は2か月ほどでしたが、振り返ってみて重要だったことは以下の3つでした。

  • Salesforce公式の受験ガイドの『試験概要』に記載されている内容を必ず理解すること
  • 学んだことを実際の画面を操作してアウトプットすること
  • それぞれの機能のできること、制限、ベストプラクティスは暗記すること

資格試験の勉強を通して学んだApex言語やSOQLを実業務に活かせたので、その事例を2つ紹介します。

認定資格を活かせた2つの事例

Salesforce 認定資格と聞くと、Salesforceそのものを扱う立場でないと活かせないのではと思ってしまいますが、関連システムにSalesforceが使用されていれば、業務で活かすチャンスはあります。

私は主にWebアプリケーションのシステムを担当していますが、関連システムにSalesforceがあり、認定資格の知識を活かせました。

Apex言語でダミーデータを作成してテストの効率化

システム間でデータを同期する場合、それぞれのデータが意図した通りに受け渡されているかを確認する必要があります。

私はSalesforceに登録された顧客データを担当システムに同期する処理のテストを行っていました。テストでは200件以上のデータをSalesforceに登録し、それぞれが正常に同期されるかを確認する必要がありました。1件のデータを作成するのには2~3分ほどはかかり、手動で入力するとデータ作成だけで6時間以上はかかってしまいます。

そこでSalesforce側のデータ入力に開発者コンソールの機能である「実行匿名ウィンドウ」を使用することを思いつきました。実行匿名ウィンドウは「APIの有効化」および「Apex開発」の権限を持つユーザーが使用でき、任意のApexコードを実行できます。

ApexとはSalesforce上のあらゆる動きを記述できるプログラミング言語で、データの作成も行えます。構文はJava言語に近いオブジェクト指向の言語です。Apex言語を書く際には、認定資格で学んだ入力チェック、一意制約、ガバナ制限などを考慮する必要がありました。

私はApex言語でテストデータの作成を行ったことで6時間以上かかるはずだった作業を、処理の微調整なども含めて20~30分ほどで完了しました。

REST APIを使ってSalesforceのデータを確認

システム間で重複チェックを行うとき、SalesforceではREST APIを使用することができます。SalesforceのREST APIはSalesforceにHTTP要求を送信することで、Salesforceのデータを作成、操作、および検索できる機能です。

担当システムにおける顧客データの重複チェックを行う仕組みで、お客様から「自システムとSalesforceの両方でメールアドレスの存在確認を行いたい」というご要望があり、SalesforceのREST APIを使用して存在確認を行うことになりました。

Salesforce REST APIを使用するための手順は以下のような流れです。

  1. Salesforce側にAPI接続用ユーザーの作成
    SalesforceにシステムがAPIを使用するために必要なユーザーの作成と、設定をします。
  2. 権限セットの設定
    セキュリティのため、API接続用ユーザーには最低限の権限を付与します。
  3. SalesforceのREST API呼び出しをシステム側で実装(Javaで実装)
    ここまでの準備ができたらREST APIを使用できます。

私が担当したシステムでは、REST APIのリソースの1つであるQueryを使用してデータの取得を行いました。

Query | REST API 開発者ガイド | Salesforce Developers

Queryでは、パラメータにSOQLというSalesforce独自のクエリ言語を指定することで任意のオブジェクトの情報を取得できます。SOQLの構文は一般的なデータベースで使用するSQLに似ており、一般的なデータベースからSQLでデータを取得するのと同じようにSOQLでSalesforceのデータを取得できます。

レスポンスには指定した条件のSalesforceのデータが返ってきますが、認定資格でSalesforceのオブジェクト構造を理解しているため、スムーズに実装できました。

これによって、リアルタイムに担当システムとSalesforceの両方でメールアドレスの存在確認を行えました。

さいごに

「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」資格に関する知識は、直接Salesforceの開発を行わない場合でも、周辺システムにSalesforceがある場合に活かせます。

ここまでに挙げた2つの事例以外にも、Salesforceの数式項目にバグが入っていたのをお客様にアドバイスして解決したこともありました。また、私の周りでは資格で得た知識を生かしてデータ移行を行ったケースもありました。

「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」は幅広くSalesforceのデータ構造や仕組みを理解できるため、Salesforceの他の認定資格の内容をかなり理解しやすくなります。私は「Salesforce 認定 Platform デベロッパー」で学んだ知識を活かして、以下の3つの資格を取得できました。

  • Salesforce 認定アドミニストレーター
  • Salesforce 認定上級アドミニストレーター
  • Salesforce 認定 Experience Cloud コンサルタント

ラックには、Salesforceに関わるエンジニアがいるばかりでなく、スクラッチの開発から、Salesforce以外のSaaSの移行に関わったエンジニアも多く、企業の要望やシステムフェーズに合わせた対応もできます。Salesforce社のサービスのご活用について、お悩みがある方はぜひラックにご相談ください。

プロフィール

浦川 竜裕

浦川 竜裕
Webアプリケーションの保守・開発チームでリーダー業務を担当しています。
自分の技術の幅を広げるために勉強したことを発信します。最近はコーヒーと作曲にハマっています。

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