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ラックは、人工知能の最新研究を発表する「2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)」の企業ブースに、昨年に引き続き今年も出展しました。
大会は2024年5月28日~31日の4日間に渡り、アクトシティ浜松(現地)とオンラインのハイブリッドで開催されました。参加者は業界の専門家や研究者、学生など3,790名です。特に現地参加は2,900名と昨年より400名以上増える盛況ぶりでした。
この記事では、現地の雰囲気をお伝えするとともに、参加を通じて学んだことについてご紹介します。
人工知能学会と大会の雰囲気
人工知能学会は、1986年に設立された人工知能(AI)に関する研究の進展と知識の普及を図り産業・社会の発展に寄与することを目的に設立された学会です。
研究者の発表や有識者の招待公演が行われる場であるこの全国大会は、1999年から行われており、コロナ禍の2020年、2021年のオンライン開催を経て、2022年からは現地とオンラインのハイブリッドで開催されています。
初日の様子
会場が静岡県の浜松ということで、新幹線で会場に向かいました。大会期間中は台風の影響、特に移動日である初日は警報級の暴風雨の予報が出ていましたが、最寄り駅の浜松までは遅延なく到着しました。
遅延なく最寄り駅に到着して安心したのもつかの間、会場のアクトシティ浜松はセッションが行われる大ホール・中ホールのエリアと、企業展示ブースのある展示イベントホールまでが思いのほか離れていて、かつ複雑な道のりだったので展示イベントホールまでの移動は非常に大変でした。
最終的に、展示イベントホールへは余裕を持って到着できたものの、今度は展示するための荷物が展示開始時間の13時になっても届きません。その後荷物は到着しましたが、ブースの設営が終わったのは30分遅れの13時30分になっていました。
ようやく準備を終え会場に目を向けると、昨年の静かなスタートとは異なり、今年はスタートからとても活気にあふれ、会場は冷房が追いつかないほどの熱気に包まれていました。
2日目以降の様子
2日目以降の展示イベントホールは初日以上の参加者が来ており、非常に活気に満ちあふれていました。しかし、昨年に比べると、展示イベントホールから大ホール・中ホールで行われるセッションをオンラインで聴講するケースが多く見受けられました。
先にアクトシティ浜松内の移動が複雑で大変であると記載しましたが、天気が回復しても、移動そのものの大変さは変わるものではないことから両エリアでの往復が減ったのではないかと考えています。
このような要素が影響したのか、肌感覚としては実数発表以上に今年の参加者は多かったように感じました。
展示イベントホールの雰囲気
今年の企業ブースは96社で、昨年の73社から大幅に増えました。
昨年同様、リクルートやインターンなど、学生を対象にした採用活動をメインで行っている企業もありましたが、採用活動よりも自社の製品やサービスのアピールに主眼を置く企業も増えました。特にChatGPTを中心としたLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)に関連する製品が非常に増えていました。
この大会は技術的な情報を交換する場として非常によいことは昨年の記事でも言及しましたが、その点に関しては今年も同様であると感じました。それは、この場に出展・参加される企業の方々から、技術に関するリアルな現状(できていること・困っていること)を得られ、またそれに伴う意見交換ができるからです。
ラックのケースでは、昨年は、再学習や特徴量エンジニアリングといったAI開発そのものの技術的な話題がメインでしたが、今年はLLMの社内展開の話題や、その背後にあるシステム基盤の整備などに関する話題が大きく占めていました。これはLLM関連のサービスを導入する企業が増え、サービスの利活用に関する話題が爆発的に増えたことに起因していると考えられ、LLMの勢いは当面続きそうだと改めて強く感じました。
大会に参加した成果と学び
ラックは大会期間の4日間、ブースでの展示を行い、以下について紹介しました。
- LACGAIの取り組み
- AIゼロフラウド
- セキュリティ×AIの取り組み
LACGAI
LACGAIは、ChatGPTと似たUIを持つチャットアプリで、Azure OpenAI Serviceを用いていることによりチャットの内容を保存・再学習されないAIモデルです。
参加されたお客さまからは、Azure OpenAI Serviceを導入したいがなかなか手が出ない、実際に導入したもののRAGの精度面でさまざまな課題が生じている、社内で活用する事例がなかなか増えていかない、という相談をいただき、それに応じたラックの取り組み(組織を横断した体制の構築と活動・定期的なイベント開催・ChatGPT有料版の費用負担キャンペーンなど)や、ラックの検証状況、実績などを紹介しました。
AIゼロフラウド
一方、AIゼロフラウドは、金融業界に特化した不正取引検知システムです。
大会全体では、画像や音声・自然言語処理などの分野を研究されている方が多く、テーブルデータ分析は、昨年も多くはなかったものの、今年はさらに減り、ほとんど扱われていないかのようでした。
AIゼロフラウドはテーブルデータ分析のソリューションで、このような状況ではほとんど興味を持たれないのでは......と思っていたのですが、昨今、ニュースで金融詐欺が扱われることも多く、社会課題解決の糸口として興味を持っていただけたようで、多くの関心や意見を寄せていただくこととなりました。
セキュリティ×AI
また、ラックがどのような会社かを説明したうえでLACGAIやAIゼロフラウドの話をさせていただきましたが、一通りの意見交換が終わったタイミングで、ラックが取り組むセキュリティ対策に関する興味、現状についてお話しいただくことが多くなりました。ChatGPTのような全社プラットフォームを導入することで自社システムの全体的な構想の見直しに迫られ、それと同時に自社システムのセキュリティの見直しも生じているという話が多くを占めていました。
セキュリティに関する研究者や、企業内でセキュリティ対策に取り組んでいる方が少なく、AIとセキュリティは交わる要素がないという扱いだった昨年とは大きく異なり、今年はラックの取り組みについてだけでなくラックの現行サービスについてとても興味を持っていただき、大きな驚きを感じました。
なにより、ラックとして「セキュリティへのAI活用を強く進めていく」方針をとるなか、「ラックは既存のセキュリティに関する深い知見や情報収集のチャネルがあり、それをベースとしたAI技術の推進を期待したい」というたくさんの声を直接いただけたのは、何にも代えがたいものでした。
最後に
大会参加は、ラックの成長と進化に欠かせない要素であり、大会の熱気と情報の共有がラックの技術力や競争力の向上に寄与していくことと考えます。
今後も大会への参加を通じて、AI技術と業界の発展に貢献します。
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