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ラックが地域のためにできることとは~旭川高専での特別授業をレポート~

新規事業開発部の今田三貴子です。

一昨年に首都圏から札幌へ移住し、来年度からさらに自然の多い旭川近郊への移住を予定しています。Webデザインのお仕事をしているので、完全にテレワークです。新規事業部では最先端のデジタル技術を活用して地域の暮らしを守る取り組みをしており、私も移住先の北海道から安心安全で豊かな地域を作る活動に繋がるよう、小さなことからコツコツと動いていこうと思います。

さて今回は、ラック社員が講師となり、旭川工業高等専門学校(以下、旭川高専)でクラウドサービスと機械学習について特別授業をしたときの様子をレポートします。

なぜ旭川高専で授業をすることになったのか?

さらに詳しく知るにはこちら

Worcu-pet(ワークーぺ)

旭川高専で授業をすることになったきっかけは、ラックが運営する旭川のテレワーク施設「Worcu-pet(ワークーぺ)」でした。

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Worcu-pet(ワークーぺ)

Worcu-petの名称を検討する際に、次世代の旭川を担う学生さんたちに考案してもらおうと、旭川の学校にご挨拶しに行った時のことです。旭川高専の講師の方から、「ぜひ、学生に御社のようなサイバーセキュリティ企業のプロによる、クラウドサービスと機械学習についての講義をしてほしい」と有難い相談をいただきました。社内で検討したところ、早速「やりましょう!」となり、サイバー・グリッド・ジャパン 次世代セキュリティ技術研究所所属の庄司、新規事業開発部 産学連携事業室の長谷川が講師として協力することになりました。

ずいぶんトントン拍子に話が進んだと思われるかもしれません。実はラックと旭川市はすでに良いご縁があり、数年に渡る積雪センサーの実証実験や、地域の小学生を対象にしたプログラミング教室の開催といった取り組みをしてきました。そんなわけで、今回の名称公募に快く対応していただいた次第です。

ラックは、除雪事業で用いる積雪センサーをtown認定IoT製品第1号に決定しました

知らないで使うことの怖さ、理解してから扱うことの大切さ

講義当日、長谷川はクラウドサービスのリスクについてお話ししました。
「情報」を取り扱い、仕事や暮らしにもっと密着する世代にとって、知っておかなければいけない授業だったと感じています。

クラウドサービスのリスクについて講義をする様子

まず、「正義にも犯罪にも、使われているのは同じサービス」と、ちょっとドキッとする内容から始まりました。続いて、今や当たり前にある、「翻訳機能」「メール」「ウェブサイトの構築」など、クラウドサービスを用いながら安全性を問いかける事例をご紹介。いつも使っているクラウドサービスやIoTデバイスアカウントの「のっとり」、サービスの悪用、不正利用、乱用の事例を見てもらうととともに、ハンズオンタイムを設けました。「あなたのパスワードが大丈夫か調べよう!」、「(実際に)届いているメールの情報から、あやしいメールを調べよう!」など、学生のすぐそばにあるリスクと対策を実感してもらいます。本人は誰にも見せていないつもりの情報でも、見えてしまっている場合があるというメッセージが届いた授業でした。

長谷川の講義を受けながら自分のことを振り返ってみると、PHS、ガラケー、スマートフォンとデバイスの進化に自然に馴染み、デバイスを持てる喜びや情報を扱える楽しさは感じていたものの、それらを扱うリスクがあることすら知らずに使っていました。例えるなら、火がどのくらい危険か全く理解せず、無邪気に火がついた棒を振りまわしているような感じだったのではと思います。怖いですね......。
リスクがどこにあるのかきちんと把握して活用する大切さを教えてもらいました。

AIの知識はどんな人にも必要

長谷川に続いて庄司は、技術にフォーカスした「AIのつかいどころを学ぶ」「AIについて自主学習できる下地を作る」というテーマで講義を行いました。

「AIエンジニアにはならないからAIのことは知らなくてもいいやではダメ!」
「データ提供者や開発依頼者になったとき、AIに関する知識が非常に有益」

プロのエンジニアからの、学生の未来を見据えたキャッチーな言葉でスタートした講義は、「AIってそもそもなんだと思う?」や「昨今のAIブームで何ができるようなったか?」を学生に問いかけながら、AIの仕組みの基礎的な部分を学習できる内容です。90分の講義を終えた2コマ目で学生の皆さんは少しお疲れの様子でしたが、「架空のアイドルの画像を生成することもできます」という庄司の一言で、ほぼ全員の頭がぐわっと上がりました。視覚的な講義の工夫は学生の心を掴むのだなと、微笑ましい瞬間でした。

AI技術にフォーカスした講義の様子

最後はハンズオンタイムです。実際に庄司が構築したAIシステムを使って、「スペースシップタイタニック」という宇宙版タイタニックの生存者と死亡者の分類精度を上げる作業にトライしてもらいました。実際に手を動かすと理解度が深まりますね。

この講義を通して、どのAIを、どんな場面でどの程度使うのか、使う場合のリスクも含めて便利に使いこなしていってほしいと、学生の皆さんにお伝えしました。AIは万能で人間はとって代わられるのではないか、AIはものすごく難しいのではないかというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。AIは万能ではありませんし、とても身近な存在でもあります。今後はさらに、人間側が「何をして、何をしないのか」の議論やAI自体の技術も進んでいくので、情報をアップデートしていくことも大切です。

ラックが地域のためにできること

情報を取り巻く知見は基礎からテクニカルなことまで、どのような世代でも知っておく必要があり、知りたい人はたくさんいるのではと感じました。そこで、旭川のWorcu-petを中心に、第一線で活躍するプロフェッショナルの話が聞ける機会を設けられないか、密かに計画を温めています。若い世代にとっては社会や地域の中での自分の役割を見つける種となり、他の世代にとっては「情報」を正しく扱うための良い機会になるのではと考えます。

今後も旭川の学校や地域と連携し、地域の皆様にとって役に立つ情報とは何かを一緒に考え、有益な機会を創出できるような活動に取り組んでまいります。

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