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こんにちは。ラックITサービス本部の渡辺です。
現在は、「企画」という仕事や最近の新しい技術や考え方の変化と、毎日、格闘している中ではありますが、初投稿ということもあり、初心に戻って自分自身のベースである、「システムエンジニア(SE)によるサービス業」について、整理してみました。
サービス(業)とは?
田崎真也さんの著書「サービスの極意」を参考に、「サービス」と「サービス業」を以下の通り定義してみました。
- サービスとは、サービスする人ではなく、お客様の視点で必要なことを徹底的に考えて実践すること。
- サービス業とは気配りではなく、お客様の思いや望みを実現するためのアシスト(手助け)をすること。
あわせて言い換えると...
「サービスをする人」が、「ホスト」から対価をいただいて、「ゲスト」をもてなす「ホスト」をアシストする業務がサービス業であり、このアシストする業務において、徹底的にお客様の視点で考えて行われる内容がサービス
...となります。
レストランでのサービスをイメージすると、わかりやすいです。
サービスをする人がレストランのスタッフ、ホストとゲストがデート中の男性と女性ですね。
システムエンジニア(SE)とは?
皆さんからは、どんなイメージで見られているのでしょうか。
- Wikipediaでは「コンピューターシステムやコンピューターソフトウェアの設計等に携わる技術者」とあります。
- パソコンに向かって、IT技術を駆使して、システムを作ってくれる人。
- システム構築プロジェクトでリーダーシップを取っている、PMやリーダー。
- 「セミナーで、かっこよくわかりやすく説明してくれるコンサルタントやアーキテクト?」
- 「情報システム部門で、日夜を問わずシステムを運用管理してくれる人?」
- 「特定のIT技術分野の専門家で、技術的な質問にこたえてくれる人?」
いろんな意見が聞こえてきそうです。
実は、SEというのは、「IT技術の観点でとってもレベルの高いことを求められるサービス業」だと、自分は考えています。
SEによるサービス業とは?
定義した「サービス」と「サービス業」を、素直に、SEの仕事に置き換えると、こうなります。
- 「SE」ではなく「お客様」の視点で必要なことを徹底的に考えて、実践すること。
- お客様(担当者)の思いや望みを実現するアシスト(手助け)をすること。
今まで、お客様先で作業したり、いろいろなお客様に提案活動をしたり、自社に持ち帰ってお客様のシステム構築をしたりを繰り返す中で、何度も繰り返し、SEによるサービスについて考え、試行錯誤を繰り返してきました。
その経験の中で、自分の中の定義も、細かく変化を繰り返してきたのですが、現在の自分は、こんな風に考えています。とても、シンプルになりました。
- 必要最低限の技術と経験をもとに、お客様の要求事項に対応する。
(約束したことをたんたんと) - 対価とコンプライアンスの範囲内で、徹底的に工夫と努力を積み重ねる。
(できるだけお客様と一緒に) - その結果、次の機会にリピートオーダーをいただけるくらい、お客様担当者に喜んでいただく。
試行錯誤して学んだこと
多くのお客様から、たくさんのことを教えていただきました。
SEがサービスを提供するときに、特に注意したいポイントの例を4点だけあげておきます。
文字にすると、あたりまえのことばかりなのですが、日々の忙しい業務に追われ、「自社のビジネス」や「お客様のこと」を考えれば考えるほど、陥りやすい罠があります。
<注意したいポイントの例>
①「むちゃぶり」には真意がある
急に納期を早めたり、対応範囲を広げたり、お客様から突然、強硬にむちゃぶりをされることが、時々あります。対応できずに、むげにお断りして、せっかく築き上げた信頼関係を崩してしまうことも多いと思います。
そういう時には、一緒に考えたい気持ちを伝え、どうしてむちゃを言うのか、粘り強く聞き出してみることをお勧めします。そうすることで、お客様の真意を確認して、対策を一緒に考えることができます。
最終的に、対応できなかったとしても、信頼関係は残りますし、この相談と一緒に対応することで、より良い結果が得られれば、お客様のお役に立つことができます。
②お客様のビジネスや業務を、SEが勝手に考えてはいけないし、決めてはいけない
お客様の信頼度が上がると、お客様がSEに頼ってしまう場面が、時々、見られます。
お客様との関係に慣れてくると、SEが「お客様はこう考える」と勝手に判断してしまう場面が、時々見られます。
こういう場面で決めたことが、後々、とても大きな問題になることがありますし、間違えると、お客様に多大なご迷惑がかかります。
決定権は、お客様に固定させていただきましょう。
③チームで活動する場合、お客様との窓口を分散させてはいけない
システム構築の現場では、チームで活動することが多いです。
みんながお客様と会話したら、いろんな考えが出て、より良い選択肢が得られるのではないかと考え、実践してみたことがあるのですが、この方法は、コストが上がるだけでなく、お客様の手間が増えてしまいます。
お客様とは代表者がやり取りし、メンバーは、代表者をお客様と捉えて活動するのがよいようです。
④よくばってはいけない
大きなプロジェクトの場合、他社と協力してプロジェクトを進めるケースが多いです。
そこでは、絶対に「自社の利益を増やそう」とか、「他社の領域を巻き取ろう」とか、考えてはいけません。
たとえ、他社がそういう姿勢であったとしても、よくばると、必ずプロジェクトが失敗します。
常に正直に、お客様の視点でシステム全体を考えて、他社とも全面的に協力してプロジェクトを進めましょう。
最後に
SE業の解釈には、いろんな考え方があるとは思いますが、どんな仕事でも、根っこにあるのは、「ありがとうって言ってもらえることをすること」だと思うんですよね。
SEとしての技術も必要ですが、それだけではなく、お客様の立場にたって、考えて考えて考え抜いて、その先にだけにある気づく力が一番大切。その上で、しっかりお客様の役に立つことで、初めて、ビジネスになるのだと思います。
そして、ビジネスですから、当然、儲けなきゃいけないですが、儲からないってことは、お客様の役に立っていないということなので、もう一度、しっかり考え直さなければいけないのだと思います。
また、最近の大激震的な技術の変革の中で、お客様との接点やその方法も、ダイナミックに変化していくことが予測されます。そんな時代でも、基本をおさえつつ、お客様にご満足いただけるサービスを提供し続けられるよう、これからも、日々、変化していきたいと思います。
「SEによるサービス業」を実践する中で、田崎真也さんの著書「サービスの極意」を、バイブル的に参考にさせていただいております。
参考図書:
田崎真也(2004)『サービスの極意』新潮文庫.
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