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情報リテラシーを遊びながら学ぶカードゲーム「リテらっこ」を作りました

こんにちは、ICT利用環境啓発支援室です。

私たちは、インターネットを安心・安全に利用できるように、幅広い世代に向けた啓発活動や効果的な手法の研究に取り組んでいます。その一環で、情報リテラシーを学んでもらう講座を全国各地で開催しています。

情報リテラシーの講座と聞くと、座って話を聞く講義形式をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、様々な地域の学校に出向いて啓発を行っていく中で、講座で聞いた内容を「自分ごと」として子どもたちに捉えてもらうには、座学だけでなく対話を通したアウトプットの必要性を感じました。さらに、子どもたちの興味を引き、主体的に取り組んでもらえる方法として「カードゲーム」が有効であることを知りました。

そこで誕生したのが、小学生から情報リテラシーを遊びながら学べる情報リテラシーカードゲーム「リテらっこ」です。2024年度に多くのトライアルを重ね、対象は小学校中学年以上と設定しました。学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を、このゲームを通じて実現することを目指しました。

「リテらっこ」の遊び方

「リテらっこ」は、インターネットの利用中に直面する可能性のあるトラブルや困りごとに対して、どうやってその状況を切り抜けるかを疑似体験しながら、その対処法を学べるカードゲームです。

ゲームとして楽しみながら、デジタル社会を生き抜くための情報リテラシーを自然と身につけられます。どんな風に遊ぶのか気になってきましたよね?それでは、早速遊び方を紹介します。

使用アイテム

このゲームは3つのアイテムを使います。

①インシデントカードはがきサイズの大きいカード ②アクションカードトランプサイズの小さいカード ③らっコインコイン状の円形チップ
インシデントカード

ゲームマスターがお題として出すカードです。インターネットの利用で起こりうるトラブルや困りごと(インシデント)を記載しています。(全76項目)

アクションカード

プレイヤーに配る手札となるカードです。インシデントが発生した時に、あなたが行動する内容(アクション)を記載しています。(全100アクション)

らっコイン

ポイントとして使用するコインです。(20枚)

①インシデントカードはがきサイズの大きいカード
インシデントカード

ゲームマスターがお題として出すカードです。インターネットの利用で起こりうるトラブルや困りごと(インシデント)を記載しています。(全74項目)

②アクションカードトランプサイズの小さいカード
アクションカード

プレイヤーに配る手札となるカードです。インシデントが発生した時に、あなたが行動する内容(アクション)を記載しています。(全100アクション)

③らっコインコイン状の円形チップ
らっコイン

ポイントとして使用するコインです。

また、お題となるインシデントカードは下記3つの分野を網羅しています。

情報モラル
情報モラル
情報モラルを身につける上で必要となる知識や対応に関するインシデント
情報セキュリティ
PCやタブレット、スマートフォン等でインターネットを安心して利用するために必要な知識や対応に関するインシデント
消費者トラブル
インターネット上の売買で消費者トラブルに巻き込まれないようにする、もしくは消費者トラブルに巻き込まれた場合に必要となる知識や対応に関するインシデント

遊び方

このカードゲームはゲームマスター(進行役&正しい知識の解説役)の主導で進行します。ゲームを始める前に、プレイヤーにアクションカードを5枚配布し、インシデントカードはラッコのキャラクターがある面を表にして一か所に積んでおきます。それでは実際に1枚インシデントカードを引いて遊んでみましょう。

1. お題を確認:「SNSでつながっている人に楽に稼げるバイトがあるから一緒にやろうと誘われた」

ゲームマスターがインシデントカードを1枚めくったらゲームスタートです。

SNSでしかつながっていない人からこんな連絡が来たら、あなたはどんな行動を取りますか?自分だったらどうするか、もし友達や家族がこのような状況にあったらどんな行動をとれば良いかということを考えながらゲームに参加してみてください。

インシデントの分野とお題となるインシデントが書かれたインシデントカード

2. 自分が出すアクション(行動)を考える

次に、事前にゲームマスターから配布されたアクションカードから、インシデントに対して最初に取ったら良いと思うアクション(行動)を1枚決めます。

アクションカードは全部で100枚ありますが、手元に配られるのは5枚のみ。必ずしも正解となるカードが自分のところに配布されるとは限りません。手持ちのカードでいかにこの状況を切り抜けられるかを考えることが、このゲームの面白さです。

アクションカードの例
アクションカードの例

さて、自分が出すアクションカードは決まりましたか?次のステップに進みましょう。

3. どうやって切り抜けるかアイデアを説明する

それぞれ選んだアクションカード1枚を一斉にテーブルに出します。
「どうしてそのカードを選んだのか」
「どうやって状況を切り抜けるのか」
1人ずつ自分のアイデアを説明してもらいます。

上手く説明できない時もあるかと思います。そんな時はゲームマスターがサポートしてくれるので安心してください。

トライアルの様子:津和野町立日原中学校
トライアルの様子:津和野町立日原中学校

4. 「グッドアクション」を決める

ゲームマスターによるインシデントに正しく対応するための解説も踏まえながら、話し合いでそれぞれが出したアクションカードのうち、最初に取ったらよい行動「グッドアクション」を決めていきます。

「グッドアクション」に選ばれた人は「らっコイン」を2枚獲得できます。また、「グッドアクション」に選ばれなかったものの、甲乙つけがたい意見や説明の内容が良かった参加者も、「グッドアクション」とは別に「らっコイン」を1枚貰えます。

トライアルの様子:津和野町立日原中学校
トライアルの様子:津和野町立日原中学校

1~4を時間内で繰り返し、最後に「らっコイン」を一番多く獲得した人が勝利になります。

考えることを楽しむカードゲーム

このカードゲームは情報リテラシーの習得における「主体的・対話的で深い学び」を目的としているので、勝敗を競うものではなく、考えることを楽しんでもらうという点を大切にしています。

「主体的・対話的で深い学び」のために

手元に配られたアクションカードを使い、自分ならどうインシデントを切り抜けるかを主体的に考えることで、情報リテラシーを「自分ごと」として捉える力が養われます。座学として聞くだけではなく、行動をシミュレーションするからこそ、実践的な学びが得られるのです。

また、お題に対してどのように行動すべきか話し合うステップを大切にしています。他の人の意見を聞くことで新しい視点を学び、自分の考えを相手に伝える中で説明力や理解力も磨かれて、対話的な学びへと繋がっていきます。話し合いの中では様々なアイデアが出ることが想定されるため、「他の人の意見を否定・批判はしない」というルールを設けることで、活発に深い話し合いが行われるようにしています。

カードゲームを通じて主体的・対話的で深い学びを実現し、楽しさとあわせて情報リテラシーに関する正しい知識を身につけられます。

一緒に情報リテラシーを楽しく学んでみませんか?

現在、このカードゲーム「リテらっこ」を活用した体験講座を募集しています。「今すぐ遊んでみたい」「授業で活用してみたい」と思ったら、ぜひ一緒に情報リテラシーを楽しく学びましょう。皆様のご応募をお待ちしています。

1. 募集概要

応募は、2025年3月31日までとし、先着5団体。
実施時間は45分~100分で、実施人数は35名を上限とします。

2. 費用

無料(出張費用などもかかりません)

※ 研究活動の一環のため講座の様子を写真や動画で記録したり、アンケートにお答えいただいたりする場合があります。

3. 募集対象

日本国内の小学校、中学校
対象学年は原則、小学4年生以上とします。

4. 応募方法

下記を記載の上、2024年12月17日から2025年3月31日までに、次の宛先に電子メールでお送りください。

  • 学校名、団体名
  • 学校、団体所在地住所
  • 申込者氏名
  • 体験希望学年
  • 人数
  • 実施場所
  • 実施希望日(第3希望まで)

《メール送信先》

cgj-litelacco@lac.co.jp
株式会社ラック
サイバー・グリッド・ジャパン ICT利用環境啓発支援室 あて

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