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Microsoft Security CopilotのSCU設定、価格改定後の最適化とは

Microsoftソリューション推進チームの松葉 優です。

2025年4月1日Microsoft Security Copilot(以下、Security Copilot)の価格改定が発表されました。これまで短時間であれば指定したSCU(Security Compute Unit)をある程度超過して処理を実行してくれていたのですが、今後はベースSCUとバースト上限値の2つの設定を利用状況に合わせて正確に最適化することが求められます。

これまでと同じSCU設定では、SCU不足によるSecurity Copilot処理エラーが表示されることになります。このエラーを回避するためにSCUを単純に追加すると思わぬコスト増につながる可能性があるため、多くの担当者にとって頭を悩ませるポイントとなるでしょう。

ラックでは、Security Copilotの開発段階から参加してきたEarly Access Programの経験をもとに、今回の価格改定にも対応可能なノウハウを蓄積しています。例えば、過去の利用実績に基づいてSCUの使い方を分析し、時間帯や用途に応じて設定を最適化することで、コストを抑えつつ必要なパフォーマンスを確保できます。

本記事では、価格改定の概要とSCU最適化の一例をご紹介します。

Security Copilot SCU使用量グラフ
Security Copilot SCU使用量グラフ

価格改定の概要

価格改定後のSecurity Copilot利用パターンは3つあります。最適な利用方法を見つけることで、コスト削減と効率的な運用が可能になります。

①ベースSCU固定 ②無制限バースト ③上限設定バースト
ベースSCUのみを割当てし、バーストは許可しないモード。 ベースSCUを割当てし、無制限にバーストを許可するモード。 ベースSCUを割当てし、上限設定までバーストを許可するモード。
ユースケース
  • 予算外の費用負担は一切許容できない場合。
  • Security Copilot利用ケースが明確で、常に一定の利用が想定され、予想外の使い方はしない場合。
ユースケース
  • 予算が潤沢で複雑な問い合わせがある、アクセスが集中するかもしれないが落とせない利用ケース。
  • Security Copilotの回答を確実に得たい場合。
ユースケース
  • 予算超過はある程度許容できるが、上限設定をして想定外の費用発生をある程度予防したい場合。
  • Security Copilot本番利用の場合に最も推奨されるモード。
①ベースSCU固定
②無制限バースト
③上限設定バースト
①ベースSCU固定
ベースSCUのみを割当てし、バーストは許可しないモード。
ユースケース
  • 予算外の費用負担は一切許容できない場合。
  • Security Copilot利用ケースが明確で、常に一定の利用が想定され、予想外の使い方はしない場合。
①ベースSCU固定
②無制限バースト
ベースSCUを割当てし、無制限にバーストを許可するモード。
ユースケース
  • 予算が潤沢で複雑な問い合わせがある、アクセスが集中するかもしれないが落とせない利用ケース。
  • Security Copilotの回答を確実に得たい場合。
②無制限バースト
③上限設定バースト
ベースSCUを割当てし、上限設定までバーストを許可するモード。
ユースケース
  • 予算超過はある程度許容できるが、上限設定をして想定外の費用発生をある程度予防したい場合。
  • Security Copilot本番利用の場合に最も推奨されるモード。
③上限設定バースト

Security Copilot SCU最適化

Security Copilotの利用状況を分析し、曜日や時間帯ごとに最適なSCU設定を見つけることが重要です。具体的には、①ベースSCU固定、②無制限バースト、③上限設定バーストのどれが最適かを判断し、ベースSCU数とバーストSCU数をどれくらいに設定すればよいか設計する必要があります。

一般的には、平日昼間、平日夜間、土日でSecurity Copilotの使い方が異なることが多いので、下表のようなSCU設定変更タイムテーブルを作成し、SCU設定を切り替えて利用することも可能です。しかし、これを手作業で運用するのには限界があります。そこで、ロジックアプリを使用して自動調整することで、よりきめ細かく、かつ最適なSCU設定にダイナミックに制御できます。運用の効率化とコスト削減や、システムのパフォーマンス向上などが期待できます。

本番環境想定SCU設定自動調整
本番環境想定SCU設定自動調整

Security Copilot SCU設定パラメーター(JSON書式)

ロジックアプリなど、API経由でSCU設定を変更する場合の設定パラメーターは下記の通りです。手動での設定変更の手間を省き、効率的かつ正確にSCU設定を管理できます。なお、JSON書式に則ってカンマやダブルクォーテーションの組み合わせを正しく記述する必要があるので、ご注意ください。

①ベースSCU固定 ②無制限バースト ③上限設定バースト
"numberOfUnits": 3,
"overageState": "None"
"numberOfUnits": 1,
"overageState": "Unlimited"
"numberOfUnits": 1,
"overageState": "Limited",
"overageAmount": 6
①ベースSCU固定
②無制限バースト
③上限設定バースト
①ベースSCU固定
"numberOfUnits": 3,
"overageState": "None"
①ベースSCU固定
②無制限バースト
"numberOfUnits": 1,
"overageState": "Unlimited"
②無制限バースト
③上限設定バースト
"numberOfUnits": 1,
"overageState": "Limited",
"overageAmount": 6
③上限設定バースト

おわりに

今回は、Security Copilotの新しい料金体系について解説しました。SCUの調整は頭を悩ませるところですが、本記事が一助となれば幸いです。

また、ラックでは自社活用や共同研究から得た知見を基に、Security Copilotの試験導入から実践的な利活用まで支援する「Microsoft Security Copilot導入・活用支援サービス」を提供しています。まずは小規模に試してみたいという評価検証から、本格的な導入支援、活用アドバイスなど、お客様のフェーズに合わせて支援します。

さらに、利用開始後も「運用支援サービス」を通じて、機能追加に合わせた最新情報の報告や質問対応を行い、お客様のセキュリティ運用を継続的にサポートします。もしご興味をお持ちいただけたら、ぜひラックへお問い合わせください。

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