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障がいを持った学生向けのオンラインインターンシップを開催しました

こんにちは、サイバーセキュリティプラットフォーム開発統括部の外谷です。

2024年で5回目となる、障がいを持った学生を対象としたオンラインインターンシップを、9月2日(月)~6日(金)の1週間の日程で開催しました。

2024年は視覚障がい3名・発達障がい2名・内部障がい1名の計6名と、これまでで最多の参加申し込みをいただきました。

そして今回からラックの運営体制についても見直しを行いました。2023年度までは私が所属していたサイバー・グリッド・ジャパンが単独で主催してきましたが、2024年度私が所属異動したこともあり、今後の継続的な実施体制の確保を目指して部署を横断した有志による実施体制を構築しました。

本記事では、インターンシップの内容を紹介すると共に、初の運営体制の試みの結果について報告します。

取り組みテーマ

今回のインターンシップでは、以下二つのテーマを用意し、各参加者に希望のテーマを選択し、取り組んでもらいました。

テーマ1 ハニーポットログ分析体験
テーマ2 OSINT情報収集・DB格納のプログラミング体験

テーマ運営にあたっては、2023年度もインターンシップ運営に協力してくれていたメンバーを中心に、具体的な内容の検討・必要な環境の準備、そして実際の学生へのサポートを進めてもらいました。いずれのテーマも実業務を題材としており、実践的な体験をしていただく機会になったのではないかと思っています。

テーマ1 ハニーポットログ分析体験 主担当:芳村 涼介

テーマ1では、脆弱性の脅威分析を体験していただきました。具体的には、ラックが管理しているハニーポットのログデータをもとに、"実際にどのようなサイバー攻撃が観測されているか"、"その攻撃がどの程度脅威か"など分析を行い、タイムラインに纏めることを目標としました。今回は2名の学生が参加しました。

具体的な分析の方法は、観測された攻撃ログをもとに海外ブログやニュース記事・CISA-KEV(Known Exploited Vulnerabilities catalog)などのOSINT(Open Source Intelligence)情報を調べ、対象の脆弱性に対しタイムラインを作成していただきました。

参加学生の多くからは、「実際のプロジェクトに近い形で作業を進める中で、理論だけでは得られない貴重な経験を積むことができた」との感想が寄せられました。メンターとの交流を通じて実務のリアルな側面を知ることができ、大変有意義だったというコメントをいただきました。全体として、学生たちが主体的に取り組み、多くの学びを得られるインターンシップとなったとの評価を得られました。

CVE-2024-21762という脆弱性に対するタイムライン
CVE-2023-33617でインジェクションされたコマンド

テーマ2 OSINT情報収集・DB格納のプログラミング体験 主担当:手嶋 千春

テーマ2では、実践的なPythonのプログラミング体験を行いました。

GitHub上に公開されているHacker Trendsというリポジトリのデータを取得し、MISPという脅威情報管理のためのプラットフォームに格納するという業務の体験です。今回は4名の学生が参加しました。

プログラムが完成した学生に対しては、普段からコードを書いているラックメンバーがレビューを行いました。レビュー内容は可読性や保守性を意識したため、実践的なプログラミングを学ぶ貴重な機会になったと思っています。

テーマ2の課題を終えた学生が得た気づき

インターンシップ内のコミュニケーション

本インターンシップでは、オンライン開催ということで、Microsoft Teamsを使ったミーティングやチャットでのやり取りをベースとしてコミュニケーションを行いました。朝会や日報を通じた各取り組みテーマに関する進捗の確認やフォローの他、運営メンバーと参加学生との交流タイムの実施を通じてコミュニケーションを図りました。

今回の交流タイムには、インターンシップ運営初参加のメンバーにも多く参加してもらいました。これによりラックのさまざまな仕事についてそれぞれの視点で紹介することができ、学生にラックを幅広く知ってもらえる有意義な時間だったと考えています。

そして最終日には、ラック社員に加え、各学生の学校の先生方にも参加いただき、成果報告会を実施しました。1週間という決められた期間でテーマに取り組み、結果を取りまとめて多くの人数の前で発表する、という一連の流れを実際に体験いただく良い機会になったのではないかと思っています。

Microsoft Teamsを使ったミーティングの様子

開催を振り返って

今回は、開催期間をこれまでの2週間から1週間に変更したり、運営体制を1部門体制から複数部門横断の体制に変えたりと初の試みも多かったため、うまく行ったことのみでなく、次回に向けて改善すべきことも多かったと思っています。今回参加してくださった学生からのフィードバックも踏まえ、今後もより良いインターンシップとなるよう検討を進めていきたいと思います。

加えて、今回インターンシップ運営を社内横断体制で臨んだことにより、幅広い部門の方に、今回のインターンシップを通じて障がいに関する理解を深めていただくきっかけになったのではないかと考えています。今回の経験が、今後、社内のさまざまな部門で障がいを持っていても各自のスキルを活かして活躍できる環境が構築されていく一つのきっかけとなることを願っています。

他部門からの初参加メンバーからの感想

長田
このインターンシップは、ラックのことを知ってもらうだけでなく、参加される学生各自が一般企業で働いていけるのかを確認するための場でもあるのかと最初は考えていたのですが、そんな雰囲気は見られず、作業に集中されていて新たな経験を喜んでいる様子だったので驚きました。今回は5回目のインターンシップということなので、運営側のノウハウもあって受け入れ体制が整っているからなのではと思いました。
城戸
初参加となるインターンシップでしたが、とても楽しく活動することができました。得手不得手があっても、少しの理解があれば仕事をすることも全然問題ないのだと改めて感じました。「楽しかった、ラックは良い会社だと思った」そう言っていただけただけで、とても達成感を感じました。参加くださった学生様方の良い経験の一端となれたら幸いです。
那須
今回初めて参加させていただきましたが、学生の皆さんがとても意欲的で、熱心にテーマに取り組まれていて、成果発表の内容も素晴らしかったと感じました。また、課題担当の運営メンバーの方々が、学生さんからの質問などに対して丁寧にサポートされていたので、「また来年も参加したい」と言ってくださる学生さんもいて嬉しく思いました。
橋本
短い期間の中で、ほとんど経験のない課題に対し、課題担当メンバーのアドバイスを受けながら一生懸命取り組んでいただき、大変だったと思います。また、成果発表会では、学生の皆さんの成長した姿を拝見し非常に嬉しく思いました。私自身も、運営に携わる中で、通常業務では関わりのない方々とご一緒できたことは、貴重な経験となりました。

さいごに

ラックでは障がいをお持ちでも一緒にご活躍いただける人材を募集しています。ラックでは、私も含め障がいを持つメンバーがさまざまな部門で活躍しています。ご興味をお持ちになりましたらぜひお問い合わせください。

窓口

株式会社ラック 障がい者採用情報

ラックでは、何事にも興味を持ち、たえず挑戦する意欲と好奇心を持ち続けてくれる方を求めています。

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