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ディープラーニングをビジネスに活用できる人材を目指す、「G検定」を受験しました

サイバー・グリッド・ジャパン 次世代セキュリティ技術研究所の、三川みつかわです。

昨年11月に、ディープラーニングに関する知識を問われる「G検定」を受験しました。私は全盲ですが、周囲の協力を得て無事に受験できた経験をお話ししたいと思います。G検定に興味のある方、同じ障がいを持っている方の参考になったら嬉しいです。

G検定とは

G検定は、ディープラーニングの基礎知識や、事業に活用する能力や知識などがあるかを問う試験です。一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施しています。ちなみに、G検定の「G」は、「Generalist」の頭文字です。

出題範囲は、AIやディープラーニングの歴史や手法、技術動向、法制度など幅広い範囲です。また、ディープラーニングを事業で活用できる人材の育成を目的とした検定のため、ディープラーニングと社会との関係性や今現在行われている議論についても出題されます。

受験するメリットとしては、ディープラーニングに関する知識を幅広く、効率良く習得できます。IT系の業務に携わっている方でしたら仕事にも生かせると思います。AIを扱うエンジニアや、データサイエンティストを目指す方には、足掛かりにもなるかもしれません(AIの実装スキルを学ぶにはE資格の方がおすすめではありますが)。さらに、受験場所は自由なので自宅でも受けられます。働きながら、育児や介護をしながらでも挑戦しやすい資格だと思います。

なぜ受験しようと思ったか

私がG検定を受けようと思った理由は大きく3つあります。

  1. AIに興味があり、勉強してみたかった
  2. 視覚障がいがあっても受験可能だった
  3. 当社の資格取得奨励金対象だった

普段、私はサイバー攻撃に関連するセキュリティの研究に関わっています。主な業務は、「OSINT(オシント)」と呼ばれる一般に公開されているセキュリティ関連記事などの情報を、収集・分析しています。それらのデータ分類やタグ付けを自動化したいと考えているので、AIの知識が役立つのではないかと期待しました。

また、視覚障がいを持っていると受験できない資格が多いのですが、G検定はそこがクリアできたので大きなモチベーションになりました。自分にも挑戦できることが本当に嬉しかったです。では、実際どのように受験したのかをお話ししていきます。

全盲の私が受験するにあたって

G検定を受験するにあたり、まずは試験事務局へメールで事情を説明し、何とか受験させてもらえないか打診しました。すると、特別措置にて受験OKなので申請書を送ってくださいと返信をいただきました。その申請書に記入をして返信、承認されてからは通常通りの受験申込をしました。また、試験の時間も通常は120分のところ180分と配慮いただきました。

前述の通り、視覚障がいがあるとどうしても受験が難しかったり、問い合わせても許可を得られなかったりすることは少なくありません。今回のような措置をいただけたことは大変ありがたかったです。受験を許可いただいた上、時間延長のサポートをくださったJDLA関係者の皆さまには、改めて心より感謝申し上げます。

ちなみに、受験は以下の環境で行いました。

  • ブラウザ:Chrome
  • 音声読み上げソフト(視覚障がい者がPC操作に使用するもの):NVDA

受験の準備と当日

勉強を始める前は、恥ずかしながらAIについてほぼ素人でした。部署内の勉強会でいくつかの用語を耳にするくらいだったので、ゼロからのスタートです。自分にも挑戦できるかも、と思ってくれた方いませんか?できますよ!

勉強時間は大体1か月程度(約60時間ほど)でした。他の受験者の方は、1週間や30時間で合格できたというブログ記事も見受けられます。短期集中や、限られた細切れ時間をやりくりしてマイペースに時間を確保するなど、自分の状況やライフスタイルに合わせて勉強しやすい資格だと思います。

勉強方法として最も使っていたのは、Study-AIのG検定例題でした。また、YouTubeを検索するとG検定の解説動画があるので、電車での移動中や睡眠前などにできるだけ聴くようにしていました。もちろんG検定の公式テキストもありますが、私の場合は点字に訳す必要があったため、受験までの期間を考えて今回は使用していません。

いよいよ受験本番、試験を終えての感想としては、法律関連の問題が多い印象でした。事前の学習で予め知ってはいたのですが、想像以上に著作権や個人情報保護に関する問題が多く、自分の学習不足を痛感しました。

また、分からない問題は後回しにして、最後に改めて考えようとしていたのですが、その時間もあまり取ることができませんでした。ペース配分に注意すべきだったなと反省しています。もしくは分からない問題も、ひと通り回答してしまった方が良かったかもしれません。一方、模擬例題で暗記していた知識は問題なく即答できたため、その点に関しては成果が出せてほっとしました。

さいごに

今回はなんとか合格できましたが、まだまだ自分の知識不足を感じました。この合格をゴールだと満足するのではなく、より深いAIの学習へのきっかけとできればと考えています。特に、AI関連の開発は未だに経験がないため、今後はそちらにもチャレンジしてみたいという気持ちも持てました。実際の業務にどんどん生かせるようになると嬉しいです。

AIの需要はIT業界以外でも高まっています。G検定はディープラーニングの全般的な知識を得られるので、多くの方々におすすめできる資格です。合格率も60~70%と高めなので挑戦しやすいと思いますが、中途半端に取り組むと失敗するので、しっかり勉強して確実に自分のものにしたいですね。

AIやG検定に少しでも興味を持たれたら、ぜひチャレンジしてみてください!
視覚障がいをお持ちの方も諦めず、まずは事務局へご相談されることをおすすめします。

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