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高専プロコンに協賛し、ラック企業賞を東京高専チームに贈りました

こんにちは。ラックCTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)の倉持浩明です。

ラックは、10月13日、14日の2日間にわたって宮崎県都城市で開催された「全国高等専門学校 第30回プログラミングコンテスト(高専プロコン)」に、協賛企業として参加しました。
大会当日は課題部門と自由部門の審査に加わったほか、ラック企業賞を東京工業高等専門学校(東京高専)チームの「:::docてんどっく -自動点字相互翻訳システム-」に贈りました。

全国高等専門学校プログラミングコンテスト

「競技部門」「課題部門」「自由部門」の3部門で繰り広げられる
熱い闘い

高専の学生による競技イベントというとロボットコンテスト(ロボコン)が大変有名ですが、1990年から開かれている高専プロコンも歴史が古く(ロボコンは1988年から開催)、情報通信技術の進展に伴って近年特に注目されています。

大会は「競技部門」「課題部門」「自由部門」の3部門に分かれ、アイデアの独創性とプログラミング技術による実現力を競い合います。プロコンの国際化も進んでおり、昨年度まで高専プロコンと同時開催されていた国際大会は、今年度はベトナムのハノイで2020年3月に開かれる予定で、国内大会は国際大会出場への予選も兼ねています。

競技部門は与えられたルールによる対抗戦で、今大会はマス目に区切られたフィールド上でいかに多くの陣地を占有できるかを競う陣取りゲームが繰り広げられました。

課題部門では、今大会の課題である「ICTを活用した地域活性化」に沿ったコンピュータソフトウエア作品を、プレゼンテーションとデモンストレーション及びマニュアルやソースコードのチェックにより審査します。作品の中には、センサーとLEDライトを組み合わせて高齢者が自動車事故に巻き込まれることを防ぐシステム(「Safety双光」、国際高専)や、GPSデバイスとドローンを用いて放牧牛を管理するシステム(「Agricowture」、都立品川高専)などがあり、高齢社会や人出不足を、システムを用いて解決し地域活性化を図ろうとする意欲が見て取れました。

また自由部門では、メガネ型デバイスを用いて環境音を可視化するシステム(「観音」、大島商船高専)や、スポーツ選手の動きをPCで分析し3Dモデル化する練習支援システム(「JO-HARI」、鳥羽商船高専)などのソフトウエアが出展され、高専生の発想の豊かさに驚かされました。

文字から点字への変換を手軽にする東京高専チームのシステムに
ラック企業賞

どのチームの展示もオリジナリティにあふれ、またソフトウエアとしての完成度も高いものでしたが、中でも東京高専チームの「:::doc -自動点字相互翻訳システム-」は、視覚障がいのあるエンジニアが活躍するラックとして、視覚障がいのある方の社会参加がよりスムーズになるようにと考えたその着眼点と後述する利用者への配慮などが優れている点を評価し、ラック企業賞を贈りました。

東京高専チームにラック企業賞を贈る倉持

「:::doc」はこんなシステムです。印刷された文字をスキャナで読み取り、点字に自動翻訳(点訳)して点字プリンタで出力することができます。反対に、点字の文書をスキャンして文字に翻訳し印刷することもできます。東京高専チームのメンバーに話を聞いたところ、学校や自治体からの配布物やスーパーのチラシ、町内会のお知らせなど、生活に必要な連絡は紙であることが多く、視覚障がいのある方にとって大変な負担になっていると知ったことが、開発のきっかけだそうです。

開発したシステムは、実際に視覚障がいのある方に使ってもらって改良を重ねてきたといい、完成度も高く、スキャンから翻訳・印刷されるまでの処理速度はわずか1~2分程度でした。またスマートスピーカーを利用した音声での実行も可能となっています。

「:::doc」はプリンタやスキャナ、そしてスマートスピーカーやスティックPC(スティック状の形をした小型のパソコン)などを組み合わせて開発されていますが、利用者にシステムの存在を意識させないような配慮が随所になされていました。開発の過程では多くの困難にぶつかったと思いますが、それを乗り越えて完成させた点をラックとして高く評価しました。なお、このシステムは課題部門の最優秀賞にも輝いています。

IT業界の未来を担う若者を応援

高専プロコンに参加した高専生は、どのチームも「ものづくりの楽しさ」「プログラミングの楽しさ」にあふれていました。ラックは、IT業界の未来を担う若者を、これからも応援していきます。

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