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先端技術開発グループの清水です。
私たちは常々、「ITにより日々の生活が豊かになる」ことを目指して様々なチャレンジをしています。今回は、「ITを活用して既存施設に新しいアトラクションを創造できるか」をテーマに、スマホアプリを使った新しいアトラクションを開発し、参加者の反応を知る実証実験を行いました。
まずは施設をどこにするか
既存の施設にアトラクションを創造するので、施設が決まらなければ始まりません。
そこで、テーマパーク隣接ホテルやアクティビティ施設など、いくつかの施設にお声掛けした結果、株式会社よみうりランド様に快く承諾いただきました。
よみうりランドは東京都稲城市と、神奈川県川崎市にまたがる場所にあり、年間入場者数190万人(2019年)を超える、都内有数の遊園施設です。広い園内には、森の中を最高時速110kmで疾走するジェットコースター「バンデット」、座席数1,000席の全天候型多目的ホール「日テレ らんらんホール」、5つのプールと3種のスライダーが楽しめる「プールWAI」など、多くのアトラクションや施設があります。
そんなよみうりランドを舞台に、スマホアプリを使った新しいアトラクションの開発をスタートさせました。
新アトラクションの企画内容を検討しよう
企画の検討に向けて、よみうりランドの視察に伺いました。現地に着いてまず感じたのは、とにかく広い!よみうりランドは多摩丘陵南部の傾斜に沿った広大な敷地に作られており、想像以上の広さに驚きました。
視察を始めてしばらくすると、気になる存在に出くわしました。写真の"ランドドッグ"です。このランドドッグが園内のあちこちに見え隠れしているのです。
よみうりランドの方にお伺いしたところ、「よみうりランドのマスコットはもともと"ランドドッグ"だけだったのですが、2016年にランドドッグの"グッド"とその幼なじみの"ラッキー"がよみうりランドで再会を果たしてから、この2人にマスコットキャラクターとして活躍してもらっています」とのことでした。グッド&ラッキーの活躍を見つめるランドドッグ達......、少し哀愁が漂います。
ひととおり園内を回って、どんなスマホアプリにするかの打ち合わせをしていた時、ランドドッグのあの目を思い出しました。
そこで私たちは、今回のスマホアプリの内容を「よみうりランドに隠れているランドドッグを、スマホアプリで探し出す『宝探しラリー』」に決定しました!
アプリを開発しよう!
探してもらうランドドッグを"スパイドッグ"と名付け、宝探しラリーの内容は次のようなものとしました。
- 隠れているスパイドッグは5匹(5か所)
- 制限時間は3時間
- ゲームが始まると、スパイドッグが隠れている場所の手がかりが表示される
- スパイドッグ1匹につき手がかりは4つ(4段階)
- スパイドッグへの近づき具合をアプリが通知する
- 5匹全てを探し出し、使った手がかりが少ないほうが高得点
新しいアトラクションとなる宝探しラリーへの没入感を生むかどうか!がこのアプリの肝になります。つまり『スパイドッグへの近づき具合』をどう表現するか?です。
様々な試作を繰り返し、最終的に採用となったのは、スパイドッグとの近づき具合を、隠れている側のスパイドッグの心拍数で表現したものです。
ラリー参加者が近づいて来て見つかりそうになると、スパイドッグの心拍数が上がり、心拍音も早くなっていきます。見ているだけでこっちもドキドキしてきます。私たちはこれを"ドキドキモニター"と命名しました。
宝探しラリーの参加者は4段階で表示される『手がかり』と、ドキドキモニターを駆使して、園内に隠れたスパイドッグを見つけ出すことになります。つまり、手がかりの出し方やスパイドッグの隠れ場所を工夫することで、普段人通りの少ない道に、参加者を誘導することができるかもしれません。そこで、「アプリを使って人の流れをコントロールすることができるか?」を副テーマとすることにしました。
実証実験当日
いよいよ、よみうりランドでの実証実験です。
確認したいテーマは二つあります。一つ目は「ITを活用することで、既存施設に新しいアトラクションを創造できるか?」。こちらはアンケートをとってアトラクションとしての感想を集めます。入場者を15,000人と想定し、アンケートの回収目標は80件としました。
二つ目は「人の流れをコントロールすることができるか?」。こちらはアプリの移動ログを集計することで、人の流れの見える化をして確認することにしました。
さて当日、よみうりランド様のご好意により、正面玄関であるスカイゲート内に参加受付コーナーを設置させていただきました。作成したA0判ポスターも備え付け、準備万端です。いざ、実証!
3日間の実証実験を終え、宝探しラリーにご参加いただいたお客様の反応はどうだったでしょうか?また、このアトラクションで人の流れを変えることはできたのでしょうか?
興味のある方は、ぜひ今回の取り組みをまとめたホワイトペーパーで詳細をご覧ください!
ホワイトペーパー
「既存の施設をアトラクションに変える取り組みについて」
のダウンロードはこちらから
また、5分ほどの動画で、今回の取り組みを説明しています。よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。
新しいアトラクションを創造してみよう!
クイズラリーやスタンプラリー、宝探しラリーのようなイベントを、ショッピングモールなどの商業施設で開催する場合、人の流れを意識した企画や準備が必要です。また、結果の評価にはデータの見える化も必要になりますが、今回私たちが企画した内容は、そのような場面においても役に立つと考えています。
今後、全国の観光施設に本実証実験で学んだことをお伝えしたいので、「我々も関心がある」「新しいアトラクションを作ってほしい」など、ご要望があれば、ご連絡ください。一緒に新たなアトラクションを創造し、新たな人の流れを作り、お客様に新たな体験を創り出しましょう。
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