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2022年1月17日、セキュリティ監視・運用サービス「JSOC マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)」は、VMware NSX Firewall with Advanced Threat Prevention(以下、VMware NSX ATP)の分散IDPS向けの対応を開始※しました。分散IDPSは従来の境界型IDPSとは、「目」の付け所が違うのです。
※ ラック、ヴイエムウェアと境界型防御を補完するセキュリティ監視サービスを提供
この記事では、なぜJSOC MSSがVMware NSX ATPに対応したのか、をご紹介します。
VMware NSX ATPとは
VMwareと言えば、「サーバ」の仮想化(=VMware vSphere)というイメージを思い浮かべるかもしれません。vSphereによるサーバ仮想化により運用がシンプルになったのはご存じの通りです。これに加え、近年VMwareはネットワークの仮想化に注力しています。ここでは、ネットワークの仮想化を実現する「VMware NSX Data Center」と、さらにそこに含まれるセキュリティ対策パッケージ「VMware NSX ATP」が持つ「分散IDPS」機能について紹介します。
分散IDPSはVMwareハイパーバイザー(ESXi)に組み込まれたVMwareならではのセキュリティ機能です。分散IDPSを利用することで、境界型IDPSを通過しない東西(East-West)通信を含むすべての通信を監視・分析することが可能です。これにより、内部の不正通信を検知できることも特徴です。
既存の境界型IDPSと分散IDPSの違い
分散IDPSの違いをもう少し掘り下げて見ていきます。VMware NSX ATPが採用する分散IDPSは、ネットワーク境界に設置する従来の「境界型IDPS」と以下の点で異なります。
①置く場所が異なる
「分散IDPS」は、物理サーバ上のVMwareハイパーバイザー(ESXi)に組み込まれた形で動作し、各仮想マシンの仮想NICと仮想スイッチの間に位置します。これにより、仮想ホストを出入りする通信を漏れなく監視することができます。
②見るものが異なる
物理ネットワークや境界型IDPSを経由しない、仮想マシン間の通信(東西の通信)を見ることができるので、攻撃者が侵入後に行なう水平展開(ラテラルムーブメント)時の不正通信も検知することができます。
分散IDPSのメリット
一番のメリットは「東西の通信が見えることにより、内部の不正通信も検知できること」ですが、他にも以下のメリットがあります。
①全ての仮想マシンの通信を分析 | |
---|---|
複雑なネットワーク経路設計を行うことなく、ESXiホスト上で動作する仮想マシンの通信を、すべて分析することが可能です。導入も、管理サーバであるNSX Manager上で簡単にON/OFFが可能です。 | |
設計/導入のコスト減 | ○ |
運用コスト減 | - |
コンプライアンス向上 | - |
②物理ホストの増強でスケーラビリティがリニアに向上 | |
分散セキュリティの処理はハイパーバイザーの余剰リソースで行われるため、物理サーバの増強にともない、セキュリティ機能の処理性能もリニアに向上します。サーバ追加により通信量が増加しても、IDPSがボトルネックになることがなく、スループット増強のための個別追加費用が抑えられます。 | |
設計/導入のコスト減 | ○ |
運用コスト減 | ○ |
コンプライアンス向上 | - |
③vMotionに追従してポリシーが自動適用 | |
仮想ネットワーク機能の一部として動作しているため、vMotionで仮想マシンを別の物理サーバに移動しても、ポリシーが追従します。(再適用作業削減、適用漏れ防止) また、同種の仮想マシンを追加する場合、グループやタグ機能を用いることで、自動で同じポリシーを適用することが可能です。(適用漏れ防止) |
|
設計/導入のコスト減 | - |
運用コスト減 | ○ |
コンプライアンス向上 | ○ |
ポイント | メリット | |||
---|---|---|---|---|
設計/導入のコスト減 | 運用コスト減 | コンプライアンス向上 | ||
① | 複雑なネットワーク経路設計を行うことなく、ESXiホスト上で動作する仮想マシンの通信を、すべて分析することが可能です。導入も、管理サーバであるNSX Manager上で簡単にON/OFFが可能です。 | ○ | - | - |
② | 分散セキュリティの処理はハイパーバイザーの余剰リソースで行われるため、物理サーバの増強にともない、セキュリティ機能の処理性能もリニアに向上します。サーバ追加により通信量が増加しても、IDPSがボトルネックになることがなく、スループット増強のための個別追加費用が抑えられます。 | ○ | ○ | - |
③ | 仮想ネットワーク機能の一部として動作しているため、vMotionで仮想マシンを別の物理サーバに移動しても、ポリシーが追従します。(再適用作業削減、適用漏れ防止) また、同種の仮想マシンを追加する場合、グループやタグ機能を用いることで、自動で同じポリシーを適用することが可能です。(適用漏れ防止) |
- | ○ | ○ |
さいごに
不正通信を見つけ出す「目」であるIDPSの置き場を変え、分析する「頭脳」であるJSOCが対応することで、内部の不正通信も監視できることをご紹介しました。VMwareを用いてサーバだけでなくネットワークも仮想化する場合には、分散IDPSと「JSOC マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)」のご利用をぜひご検討ください。
参考URL
- VMware NSX Advanced Threat Prevention ※ VMware社のホームページへ遷移します
- ヴイエムウェア、日本市場におけるセキュリティ事業を拡大へ ※ VMware社のホームページへ遷移します
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