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Oracle社が主催する最大級の年次ベント「Oracle CloudWorld 2024」が、今年もラスベガスで盛大に開催されました。最先端のクラウド技術や最新のビジネストレンドが集結するこの場に参加し、同社のサービスが目指す未来を直に体感してきました。
多くの企業が注目する技術革新の一端を、熱気冷めやらぬ今、皆さまにいち早くお届けします!
Oracle CloudWorldとは
Oracle CloudWorldとは、Oracle社の新サービスなどを顧客向けに発表する年次イベントで、2024年は9月9日から12日にラスベガスで開催されました。
今回のイベントの中心は、やはりAIです。例えば、SaaSアプリに生成AIを使った機能を導入し、AIとデータサイエンスのユースケースを拡大するサービスを発表しました。また、AIが組み込まれたデータプラットフォームの紹介や、AIのワークロードを効率的に管理する最新のハードウェアの発表もありました。
このように、毎年気になる発表が多いので見逃せないイベントです(後述しますが、今回は待望の発表がありました)。
さて、現地に到着すると空港ロビーにスロットマシーンが並んでおり、まさにラスベガスらしい雰囲気でした。会場は昨年と同様に、大型ホテル「ベネチアン&パラッゾ」内にあるコンベンション&エキスポセンターです。また、メインストリートを挟んだ向かい側にあるトレジャーアイランドホテルも会場の一部として使用されました。
今年のラスベガスの8月は異常な暑さで、最高気温が連日45度を超える日が続き、48度にとどくこともありました。イベント開催時には38度まで下がり、日本でもよく見る気温に落ち着いていました。それでも当然暑かったです。湿度は20%くらいで、日本とは違う乾燥した暑さです。ちなみに、気温48度の日は湿度がわずか5%だったそうで、ラスベガスは砂漠なのかもしれないと思いました......。
基調講演で見えたAIの可能性
最初の講演は、Oracle社のCEOサフラ・キャッツ氏によるユーザ事例の紹介からスタートしました。なお、大型の基調講演は日本語の同時通訳があるので安心です。
まず紹介されたのは、MGMホテルグループCEOによるOracleAIサービス導入の効果です。オンラインチェックインやチェックアウトの導入にとどまらず、AIを活用して膨大な宿泊者データから個々の顧客にパーソナライズしたサービスを提供しているとのことでした。
続いて米国中央情報局(以下、CIA)のCIOが登場。実はOracle Databaseは元々CIA向けに開発されたという深い関係があり、業務特性としてセキュアな環境で迅速な意思決定を支えるために、Oracle社の技術が不可欠であると語られました。諜報機関同士のコミュニケーション等で翻訳やサマリ作成にAIを利用しており、データを危険にさらすことなく活用している点が強調されました。
その後も、大手銀行やクラウドフレア、通信会社とユーザ事例が紹介され、共通しているキーワードはAIでした。どのゲストにも必ず「AIをどう使っている?」と質問していたことが非常に印象的でした。
AWS社との統合発表があったCTO講演
続いてOracle社の創業者であり、会長兼CTOのラリー・エリソン氏が登壇し、今後の同社の進化について語りました。おそらく、多くの参加者が最も期待していた講演だったのではないかと思います。ここで、ついにAWS社との統合が発表されました!壇上にはAWS社のCEO、マット・ガーマン氏も登場し「皆さんお待たせしました」と笑顔でコメントしました。
統合したことによるユーザメリットの一例は、オンプレミスシステムからクラウドへの移行を検討する際に、Oracle Databaseのエディションが課題となっていたユーザに解決策が提示される点があります。具体的には、アプリケーションはAWS、データベースはOCIとそれぞれで構築し、両者間を高速通信で接続できるようになります。サービスは2024年12月からリージョンごとに順次開始予定とのことでした。
OCIはすでにMicrosoft Azure、Google Cloudとも連携しているため、これでメガクラウド3社とデータセンターを同一にする体制となりました。ラリー氏は「大事なことは、ユーザに選択肢があること」と語り、今後もマルチクラウド戦略を積極的に推進していくとのことでした。印象的だったのは、ラリー氏が1時間以上をほぼ一人で話し切ったことです。その力強さに、会場の聴衆は引き込まれました。
活気に満ちた会場の様子
会場は大型講演のホール、展示会場であるハブ、そして個別テーマごとの小部屋に分かれています。講演はなんと1,000を超える数が開催されます。事前にイベント用アプリで予約を取っておいたり、人気の講演であればキャンセル待ちに登録したり、たまたま見つけた講演に飛び入り参加したりも可能です。
講演の数が多いので、どれもこれも満員ということはありません。入ってみたら参加者が少なかったこともあります。途中退席する参加者もおり、講師側の苦労も感じました。日本人による講演もいくつかありましたが、もちろん英語での講演です。
さらに、実際に手を動かすハンズオンラボラトリーも参加しました。手順書を基に操作してみて、わからなければその場で質問できる形式です。他の講演とは異なり、非常に静かな中でキータイプの音だけが聞こえる空間でした。エンジニアは課題を与えられると無口になるのは世界共通のようです。
展示会場では、モニターを使った短時間での講演も多かったです。日程の終盤に近付くほど、この形式が増えていったように感じられました。形式としては、15人くらいの参加者に対して短時間で話し切るスタイルでした。心なしか講師はリラックスして、笑いながら話していたように思います。
このシアター形式のセッションの場所もアプリケーションシアター、テクノロジーシアター、コネクションシアターといった種類があり、どこでどの講演をやっているのか迷ってしまうほどでした。それもまたイベントの楽しさの一部です。
AIのデモのすぐ隣で行われる講演もあり、ブースを巡りながら気になる講演を途中から聞いてみるなど、気軽に参加できる雰囲気が良かったです。
展示ブースをまわって12個のスタンプを集めると、最終日に景品と交換できました。私はサコッシュと交換しましたが、ニットキャップと携帯スタンドもありました。その他にも会場内で各企業が多くの商品を用意しており、中には長蛇の列ができるようなものもありました。
CloudWorld Hubと呼ばれる展示スペースは、どこかお祭り的な雰囲気で非常に活気に満ちていました。DJブースが設けられていたり、展示スペースの入口ではギターやバイオリンの演奏が行われていたりと、参加者を楽しませる工夫が随所に見られました。
それぞれの講演や展示ブースを回り、世界中からOracleのエンジニアとユーザが集まっている光景を目の当たりにして、自分の仕事がこの大きな世界の一部分であることに感慨深さを覚えました。Oracle Databaseとの付き合いは長いですが、世界中の多くの人々がこの技術を活用し、日々の業務に役立てている様子を実感しました。
おわりに
初めは長いと思っていたイベントも、あっという間に終了してしまいました。最終日は13:30に閉幕し、ずいぶんと参加者が少なくなっていました。出展している各ブースもリラックスした雰囲気で、じっくりと見て回れました。
今回のイベントでの注目ポイントは、メガクラウドすべてとの連携とAI用巨大データセンターの建設、Oracle Fusion Applicationの利用用途の拡張と容易な導入の実現です。Oracleがクラウドサービスを始めたとき、現在のオンプレミスユーザがすべて潜在顧客であると説明を受けたことを思い出しました。今回の発表を受けて、Oracle Databaseユーザにとっては、移行が以前よりもずっとスムーズになったと感じます。さらにAutonomous Databaseであれば日々の運用も自動化・標準化されるとなれば、さらに魅力的に感じられるのではないでしょうか。
次回のOracle CloudWorldは2025年10月13日から16日に開催されます。9月ではさすがに暑かったのかもしれません......。それでは、来年は会場でお会いしましょう!そして、クラウド推進部では定期的にOracle社と情報交換を続けていますので、今後もOracle Cloudについて情報発信していきます。
OCIに関するインテグレーションも積極的に行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!
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