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導入事例 | 

JFE商事株式会社様 統合人事システム「COMPANY®」向けデータ移行・連携システム開発事例

戦略的人事の実現に向け、人事システムを完全刷新

鉄鋼製品を中心に、鉄鋼原料・資機材・非鉄金属・化学品・船舶から食品やエレクトロニクスといった幅広い商材を取り扱うJFE商事グループ。その中核企業として国内取引および国外との輸出入を担うのが、JFE商事株式会社(以下、JFE商事)だ。同社は連結従業員数で8,000人を超える大規模な事業を展開している。企業の成長に不可欠な人材戦略を追求するキーマン、稲垣氏と丸山氏に話を聞いた。

JFE商事株式会社 人事部 人事部長 稲垣 貴礼氏
人事部 人事部長
稲垣 貴礼氏
JFE商事株式会社 人事部 組織制度室 課長 丸山 和俊氏
人事部 組織制度室 課長
丸山 和俊氏

JFE商事と人の力

JFE商事は、2004年に川鉄商事とエヌケーケートレーディングが合併し、JFEグループ内の中核企業として誕生した。JFEグループは、鉄鋼業とプラントエンジニアリングを主力商材として取り扱っており、商社事業を担っているのがJFE商事だ。

JFEグループのトレーディングに取り組む同社は、単体で1,300人を超える社員が従事しており、世界を相手に鉄を中心としたビジネスマッチングを進めている。同社では、モチベーションの維持や事業環境変化への対応力強化、そして経営・リーダーシップ人材の育成を目的に、5年程度で担当業務を変更している。

丸山氏は、「当社は、日本と海外35カ所に100社近い子会社を運営しています。それぞれの会社の経営者を育成するためには、多様な経験が必要であり、こうした配置転換を行っています。」と語るように、人間力を武器に世界で活躍するグローバル人材の育成に取り組んでいる。

人事システムに横たわる課題

このように、トレーディングや事業投資を行うスペシャリストを育成し、ビジネスの成果を生み出す土壌を作るには、人事システムに課題があったという。

1つ目は、既存の人事システムの老朽化だ。数年前に基幹システムの刷新を完了したが、人事システムは従来のままだった。自社用にカスタムメイドしたシステムだが、設計思想が古く、勤怠システムや人事考課など人事業務に必要な機能がデータ連携できていなかった。そのため、紙や表計算データでの管理も含め、多数のデータを整理して活用してきた。

2つ目は、社員の個人データが分散しており、活用しにくい状況だったことだ。具体的な業務内容や成果が下部組織内で閉じた管理となっており、情報が不透明だった。

最後に、戦略的人事に必要なタレントマネジメントが行えないことで、人材のローテーション計画や育成管理に少なからず影響が出ていたという。

稲垣氏は、「自身が経営企画部門から人事部に異動し、最初に考えたことは、まずはデータの一元管理の必要性でした。会社が人で成している以上、人に関連する情報を経営に生かさなければならないと考え、人事システムの刷新に取り組みました。現段階では人事DXに取り組むとは言えないまでも、DX化に必要なデータ管理、活用は今後進むと考えています。」と、人事情報の経営活用が重要だとした。

JFE商事株式会社 人事部 人事部長 稲垣 貴礼氏

人材戦略の一環として統合人事システムの導入に乗り出す

人事システムのモダン化を進めるにあたり重視したことは、日本企業の制度や特性を理解し実装された製品であることだ。制度改正への速やかな対応はもちろん、JFE商事の人事部門が内製で設定を柔軟に変更できるシステムとして、規模の大きな企業での採用実績が多いWorks Human Intelligence社(以下、WHI社)の統合人事システム「COMPANY®」の導入を決断した。

丸山氏は、「基本は、COMPANY®が提供しているテンプレートを基に、極力カスタマイズを行わない方針で導入を進めました。カスタマイズを前提とした導入を進めた場合、導入後に内製で設定変更を含む運用が困難になることを懸念したためです。」と語るように、JFE商事の自律的運用を目指しての選択だったようだ。

また、既存システムとのオペレーション上のしがらみが少なかったことも、システム刷新のハードルを下げられた理由だという。

JFE商事株式会社 人事部 組織制度室 課長 丸山 和俊氏

COMPANY®の導入作業は、導入に伴う作業ボリュームやスケジュールのタイトさ、システムに不慣れであることの戸惑い、そしてデータの統合に対しての漠然とした不安があった。多数のデータソースに点在していたデータの洗い出しや、データ移行の設計や整理の作業は、人事システムの経験豊富なラックのエンジニアから支援を受けることで滞りなく進んだという。

ラックとの出会いは、COMPANY®を提供しているWHI社からの紹介だった。オンライン面談でラックの人事システムへの知見と経験をヒアリングし、自社アプリケーションの運用や様々な人事システムへの知見と提案の柔軟性、なによりJFE商事の取り組みを理解しようとした姿勢に期待し、データ移行のパートナーとして選定した。

現在、JFE商事の人事部門は40名ほどで構成されており、その半数以上が日常的にCOMPANY®を活用して業務を行っている。これらの人事担当に対しては、新人事システムの操作や設定変更の方法を、研修などを通じて習熟性を高めている段階だ。データのメンテナンスや操作の慣れには課題が残るが、導入後の使用感は良好で、人事システムへの成熟度が高まるにつれ、新システムによる効果が発揮されると期待している。

人事システムの今後の取り組み

人事システムの刷新はいったん落ち着いたが、人事担当や社員の理解を深める取り組みが継続されている。企業において、業務のローテーションや人事評価は、評価する者の考えに依存しがちだ。JFE商事は統合人事システムの導入により、データによる客観性を重視した人事対応につなげたいと考えている。

まだ人事システムの運用は開始されたばかりだ。社員の情報を蓄積し、社員のための人事情報の活用に向けて、COMPANY®の内製運用をより高いレベルで行えるよう継続して取り組むとしている。

JFE商事株式会社 稲垣 貴礼氏と丸山 和俊氏

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