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テレワーク化の課題、顧客の機密情報を扱うオペレーションを在宅勤務で可能にした方法とは
※ ラックでは「顔認証のぞき見ブロッカー」の提供を現在終了しています。
ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワンシステムズ)は、企業のネットワークが急速に普及し始めた1988年、三菱商事とアンガマン・バスの合弁で設立され、企業の情報化を支えるネットワーク関連事業を展開している。
企業の情報システム全体をサポートするエキスパートオペレーション部は、システムの保守や運用支援、稼働監視、そして情報資産を保護するセキュリティサービスといった高度なサービスを、24時間365日休みなく提供するエキスパートオペレーションセンター(以下、XOC)を運営している。
XOCは今回、ラックが販売するのぞき見リスク対策製品「顔認証のぞき見ブロッカー」を導入した。そこで、導入の背景と活用方法について、XOCの広瀬氏、工藤氏、角田氏に話を聞いた。
ワークスタイル変革への取り組みが新型コロナ対策で功を奏した
ネットワンシステムズは、2011年よりテレワーク制度を導入し、2015年4月よりワークスタイル変革の本格展開にむけて、VDI(仮想デスクトップ環境)の整備と社員個人のPCをBYOD(Bring Your Own Device:個人のデバイスを活用する)への移行に取り組んだ。会社管理PCの減少によるコスト削減に加え、社員の生産性向上やセキュリティ強化を目的としたものだが、取り組みの結果、全社員の65%がテレワークを経験するなどの成果をあげ、2015年11月には「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰 ~輝くテレワーク賞~」において、厚生労働大臣賞「特別奨励賞」を受賞した。
その後も精力的にワークスタイル変革に取り組み、2017年には総務省が選定する「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞するなど、テレワークの先駆者として多くのノウハウを蓄積している。
このような背景もあり、2020年初頭に世界に激震を広げた「新型コロナウイルス」による、緊急事態宣言など事業への悪影響は、ネットワンシステムズにとって事業継続の大きな問題にはならなかった。
在宅勤務でもセンターと同じセキュリティレベルは実現できるのか
テレワーク制度も整備され、ワークスタイル変革に必要な要素は整ったとはいえ、全面的なテレワークに移行できない組織もあった。企業のネットワークや機器を監視・運用するサービスを運営するXOCだ。工藤氏は「顧客の機密情報に触れる可能性がある業務のため、入退室管理やセキュリティ対策の施されているIT環境で、アナリストの専用端末の利用など、テレワークのリスクと出社のメリットを考えると全面的な在宅勤務は難しかった。」と語る。
しかし、コロナ禍による緊急事態宣言により、ネットワンシステムズは全社員がテレワークの環境に移行せざるを得なかった。警告レベルは最も深刻な状況を示す「1」となり、上長の承認がなければ出社できず、部下も出社の命令を拒否できるほどのものだ。
XOCにおいても同様に、在宅での業務に移行することになった。幸いVDI環境のため自宅のパソコンから会社の業務PCの利用は不自由なく可能だ。アナリストは専用の高解像度ディスプレイがないため多少の効率低下はあるが、業務に支障は出ないと判断した。
しかし、お客様からの一言で状況は一変する。
「ネットワンシステムズのサービスを受けていただいている企業様の多くは、XOCを含む我々のサービスを信頼してお任せいただいています。我々のセンターは、お客様の見学も受け付けており、入退室管理やセキュリティ対策の万全さを訴えているのですが、在宅業務中はセンターでの業務よりセキュリティレベルは下がるのではないか、と質問され対策に乗り出しました。」と広瀬氏。
XOCにおいては、部外者が室内に入る際に、生体認証での個人特定と、カメラによる記録を行っている。お客様のネットワーク内に入り込み作業をする場合には、センター同様のセキュリティ対策は行わなければならないというのがXOCの答えだった。
そこで導入されたのが、PCでの生体認証システムと、PC利用者の顔認証システムである「顔認証のぞき見ブロッカー」だ。この二つを活用することで、生体認証による個人の特定と、監視カメラや人の目といった人物特定が可能となる。
マルチディスプレイ環境での工夫など運用に課題
ネットワンシステムズのPCは、会社貸与ではなく社員個人が購入した機器のため、生体認証やカメラ搭載の有無が懸念されたが、利用環境は問題なく整備され運用を開始した。
ディスプレイをのぞき込む顔が自分である場合には問題がないが、家族がカメラに映り込むと警告が表示されることで、社員の背後に対する意識を高めることとなった。また、社員が離席した際にも、離席を検知して画面を自動的に保護することから、セキュリティも向上する。
一方で「マルチディスプレイで作業をする場合には、メインのPCとは異なるディスプレイに顔を向けた際に、カメラには斜め方向からの顔が映り、画面がロックしてしまうことがあった」と角田氏は語った。それも、本人の顔の向きを複数バリエーション登録するという運用上の工夫で対処できた。
XOCはテレワークとオフィスワークのハイブリッドなスタイルを目指す
このように、XOCも含め全社員のテレワークが実現しているが、今後の展望について工藤氏はこう語る。
「ワークスタイル変革は当社においては一定の成果に達したと思います。しかしコロナ禍が落ち着き、出勤が可能になったら、おそらくハイブリッドなワークスタイルを目指すことになるでしょう。それは、新入社員の教育や、一人暮らしの社員のメンタルケアのためでもあります。効率化を極めると、まだ社会慣れしていない社員は世の中から隔絶された気持ちになりますから。」
ネットワンシステムズの経営ビジョン「すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業」で示されているように、話を伺ったXOCの皆様から「お客様からの信頼」という言葉を頻繁に聞くことができた。これからもXOCは、匠の技術で多くの企業を支えてゆくことだろう。
お客様プロフィール
ネットワンシステムズ株式会社様
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