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利便性とお客様へのサービスをさらに向上させるためにラックの総合力で、基幹業務システムからECサイトまで「安心・安全」に運営
花キューピット様は日本最大のお花屋さんのネットワークだ。北は北海道から南は沖縄まで日本全国約3,700店(2013年9月末現在)の花店の配達ネットワークにより、お客様がお近くの花キューピット加盟店で注文されると、その情報をお届け先様の最寄りの花キューピット加盟店に連絡。連絡を受けた花キューピット加盟店がご希望の商品をおつくりして、お届け先様に手渡しするサービスを展開されている。1953年に設立された花キューピット様は、2013年で60周年を迎えた。花を贈るという行為には、感謝やいたわり・思いやりといった、人が人を大切に想う気持ちが込められている。「親和と誠実」を理念とする花キューピット様が、ご注文主様のあたたかい「こころ」をお届けしようとする考え方は、「心に花を添えて贈り、感動を生み出す」というブランドコンセプトに表現されている。
チャレンジ
花キューピットタウン
http://www.hanatown.net/
いまや、花キューピット様のサービスは、誰もが一度は使ったことがある便利な生花の贈り方として日本に根付いているが、当初は電話やFAXに頼った運営であったため様々な問題を抱えていた。
即時性と情報伝達の正確さに優れるインターネットが普及するにつれ、業務のIT化が必須となり、基幹業務システム構築のための情報化プロジェクトが発足した。しかし花キューピット様は、一般の企業と違って、数千の独立した店舗が参加する協同組合であり、個々の店主は、ある意味で花を扱うという芸術家に近い方々であるため、仕事へのこだわりも強く、仕様要求も複雑を極めた。
その基幹業務システム構築のパートナーとして選ばれたのがラックである。IT知識の格差や「基幹業務システムは必要かも知れないが、自分達には負担になる」といった組合員の感情など、これらの問題で遠回りしつつも時間をかけて花キューピット様はラックと共に溝を埋めていった。
2009年、様々な苦労を乗り越えて構築された基幹業務システムを基礎として、生花をネットからお届け先様近くの花キューピット加盟店に直接注文することを可能にした「花キューピットタウン」が稼働開始。現在、花キューピット取引システム、花キューピットタウンはラックのJSOCによるセキュリティ監視サービスでセキュリティ面も担保している。
今回、花キューピット協同組合のIT責任者である、堀切 実 理事にお話をうかがった。
個々の店舗の集合体である組合のシステムづくりの難しさ
「私たち、花キューピット協同組合は本年2013年で60周年を迎えました。言うまでもなく発足当時は、紙と電話だけで運営を開始しました。やがてFAXという便利な機器が導入され業務は改善されましたが、やはり人為的なミスや手作業の労力で悩まされる日々だったのです」と堀切氏。
「21世紀に入り、インターネットが普及して私たち組合もコンピューターを使った業務システムの構築に取り組むことになりました。一般的な苦労話は割愛しますが、私たちは1つの企業ではなく、それぞれが異なる経営母体を持つ個々の店舗の集合体です。私の先輩たちは“組合員の誰もが使いやすく、間違いがなく、効率的で、低コスト”なシステムづくりに取り組まなければならなくなったのです。」
ぶつかり合う「目標」と「性質」
「組合が持つ業務システムとしての目標は『全体均一の価値の提供』にありますが、個の集合体としての組合の性質が目標に対して真っ向からぶつかることになり、組合員全員が受け入れられるシステムの構築には、様々な壁が待ち受けていました。複数の開発企業にシステムの提案をお願いしましたが、その中で、何とか私たちの要求に応えてもらえそうな提案をいただいたラック社にパートナーとなってもらい、開発に着手しました。」
三歩進んで二歩下がるスピード感で
「何度も申しますが、私たちは会社ではなく個々の店舗の集合体である『協同組合』です。よってあらゆる感情面での相克やITリテラシーの格差、自分たちの仕事への自負によるこだわり、それらの諸問題に対してラック社は辛抱強く対応してくれました。議論に必要な時間を取り、遠回りになっても全組合員が納得できる方法論で、一つひとつの問題を解決していってくれました。私は途中からシステムの責任者の任務を引き継ぎましたが、大きな問題に遭遇したことが何度もある中、10年以上にわたってシステムの調整を続け、安定した稼働を続けられる完成度を勝ち取った諸先輩方とラック社には深く感謝している次第です。先輩たちから『三歩進んで二歩下がるスピード感だから全組合員がついてきてくれるんだよ』と教えていただいたことは忘れられません(笑)」と堀切氏は述べた。
花キューピットタウンの構築
「基幹業務システムが安定稼働し、次なるプロジェクトとして組合員へ提供できるECサイトに取り組みました。花キューピットタウンの前身である『花キューピット・モール』の当時はEC自体が発展途上でした。その中で組織として「均一の価値」を提供することと「個の集まり」である協同組合の性質によって様々な問題が起こりました。花キューピットタウンでは「個の集まり」である事実を弱みではなく「個性の集合体」という強みに変えていこうというコンセプトのもと、それぞれの組合員に自店のホームページとして運用してもらえる仕組みづくりとシステムの構築に取り組みました。このプロジェクトもラック社の提案が一番納得できるものだったので、各種の検証とテストを経て同社にお願いしました。」
セキュリティも全て任せられるラックに即決
「ラック社を選んだ理由の1つに、その優れたセキュリティ管理能力が上げられます。一般企業と違う組合という性質上、セキュリティに関しては非常に気を遣ってプロジェクトを進めました。JSOCというセキュリティ監視センターを中心としたラック社の確固たるセキュリティ運営能力の高さはもちろん、セキュリティ診断サービスを提供するなどセキュアなシステム開発も得意としてることから、信頼性は十分でした。過去の基幹業務システム開発の実績と合わせて、今後改善する業務支援システムの開発・運営はラック社に即決しました。」
これから2年かけて業務支援システムを拡充
「現在、iPad等のタブレット用のシステムを開発しています。花屋はいつも時間に追われており、昼間PCにじっくり向かって何かを学ぶことはなかなかできません。よって組合員への新たな業務支援として、タブレットを使いスキマ時間でできることを増やすシステムを開発中です。今後2年をかけて、新たなレベルの支援を組合員に提供するプランを実行中です。もちろんパートナーはラック社です。」
『ハロウィンは知っているがお彼岸は知らない』という生活者が増える中、利便性とお客様へのサービスをITの力を借りてより向上させ、日本文化と密接な関係にある花の存在と価値を、より強く訴えかけていきたい」と堀切氏は締めくくった。
システム構成図
導入事例のダウンロードはこちらから
お客様プロフィール
花キューピット協同組合様
花キューピットの歴史は1952年、生花店を営んでいた創立者のもとに、当時日本に駐留していたアメリカ兵から母国に花を贈りたいという依頼がきたことから始まる。創立者は、日本にも将来、花の通信配達システムが必要になると思い、全国主要都市の花店8店に呼びかけた。そして1953年4月に、22名の同志とともに花キューピットの母体となる組織をスタートさせた。花キューピットは2013年に創立60周年を迎え、北は北海道から南は沖縄まで日本全国に3,700の加盟店を持つまでに成長した。また日本国内のみならず、花キューピットの海外ネットワークを利用して、海外にもお花を贈ることができる。
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